不器用な恋 〈1〉

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上野「今日からAさんに代わって
専属になりましたぁ。お願いしまぁす。」



何故かAさんではなく…上野さんに変わった。




陸「Aさんは？」


上野「なんかぁー忙しいみたいでぇー。」


陸「ふーん。そうなんすか…。」


上野「そんなことより、」





忙しいのか…。



そりゃ忙しいか。



あんな遅くまでサロンで働くようなお方だもん。




もう会えないのかな…。




落ち込んでる俺の肩に


誰かの手がポンっと乗っかって、


振り向いたら壱馬さんだった。




翔平「…。」


壱馬「会いに行けばいいじゃん。」


翔平「…難しいですなぁ。
恋とはなんなんでしょう。」




果たしてAさんを好きな気持ちが恋なのか…。




上野さんはお話が上手で、


色んな知識を持っているから


メンバーと打ち解けるのも早く、よく話す人。






上野さんに変わって少し経った。





健太「やっぱAさんの方が良かったなぁ。」


翔平「…。」


健太「思わない？
早く終わるしベラベラ喋らないし。」


彰吾「まぁスピードで言ったら
Aさんは良かったね。
てか他をとっても勝ってたけど。」


健太「あの声がちょっと…。」


壱馬「健さん。それすごい分かります。
朝眠い時つらくないっすか？」


健太「だよね？あと、私はぁーって
自分の話に持っていくじゃん？なんっかなぁ…。」




確かに…上野さんはよく話すけど


自分のことを話してる方が多い。



それに比べてAさんは聞き役だったなぁ。



俺らが気持ちよく話せる雰囲気を作ってくれてたし、


相手が話したくないオーラを


かもし出したら話しかけてこないし。


空気の読めるお方だった。






もう会えないと思うと…


会いたいという気持ちが強くなってる自分がいる。




撮影が終わって…


サロンの近くまで来たから


顔だけ見れたらと思ってサロンを覗いた。




中に入る勇気はないし、声も掛けられないだろうし。



顔を見るだけ。




そう思っていたら、

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