不器用な恋 〈1〉

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生放送が無事に終わって私服に着替えた。




時間の許す限り配信動画を撮ろうと


三脚を用意してると、


樹が、ねぇって話しかけてきた。




翔平「一緒にやってくれんの？」


樹「いや、いい。」


翔平「…。」


樹「Aさんのとこ行かんの？」


翔平「え…まぁ、ね？」


樹「じゃあ俺が行こうかな。」


翔平「はっ？」


北人「俺も行く。翔平、住所教えて。」


翔平「知りませんよ。」


北人「じゃあ道案内して。樹と行ってくるから。」


翔平「……3人で行きます？」


樹「いや、みんなで押しかけるのは失礼でしょ。」


北人「そうだ、そうだー。」


翔平「…。」


北人「俺らが行くか、
翔平が1人で行くかの選択肢じゃない？」


樹「そうっすよね。笑」


翔平「っ…。」


北人「ということで、行ってらっしゃい。」


樹「ふっ。行ってらっしゃい。」


翔平「…。」




みんなが俺を


Aさんの家に行かせようとしてくる。



そんな勇気あったらとっくのとうに行ってる。






翔平「そんな行けるわけないじゃないですか。」


瑠唯「でも行かないで後悔するならさ、
行った方がいいんじゃない？」


翔平「…。」


瑠唯「動画はいつでも撮れるけど、
お見舞いは今しか行けないよ？」


翔平「…ま、まぁ…そうですけど。」


瑠唯「俺なら行くなぁ。気になってる人が
辛いんだったらそばにいてあげたいし。」


翔平「…。」


瑠唯「まぁ、最後は翔平が決めることだけど、
俺なら行くよ。心配してるだけじゃ
俺も落ち着かないし。ということで、
今日はもう動画は撮らないから。おつかれ。」




カバンを持って


颯爽といなくなってしまった瑠唯さん。




瑠唯さんなら行くかもしれませんが、


ワタクシは行けませんって。



瑠唯さんのように男らしく出来ませんって。

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