不器用な恋 〈1〉

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黒糖ラテを飲み干して店を出た。




「今日はお話出来て楽しかったです。
ありがとうございました。」


翔平「いえ、こちらこそ。
仕事終わりで疲れてるのに。
ありがとうございました。」


「いえいえ。では、気をつけて帰ってくださいね。」


翔平「…。」




手を振って歩き出したAさん。




いいのか？浦川翔平！


今ここでさよならして本当にいいのか？



夜道をあんな綺麗な女性1人で歩かせていいのか？



いいわけないだろ。浦川翔平っ！





翔平「あ、あの…家、送りますよ。」


「いやいや、1人で帰れます。」


翔平「いえ、こんな時間ですし。」


「大丈夫ですよ？ふふっ。ありがとうございます。」


翔平「っ…。」


「では。おやすみなさい。」




ペコっとお辞儀をして俺に背を向けたAさん。







翔平「…やっぱり送ります。」




「…ふふっ。ありがとうございます。」




Aさんの隣に並ぶと諦めたのか、


ありがとうございますと言われた。




この俺がこんなに行動的になるなんて…。




今ので嫌われたりしてないだろうか…。




不安になりつつも、


嫌な顔ひとつしないで話してくれるAさん。




メンバーさんってどんな方々なんですか？


って聞かれて、


ほぼメンバー紹介で終わった気がする。




「ここ、私の家です。2階の角部屋。
送って下さりありがとうございました。」


翔平「いえ。」


「気をつけて帰ってくださいね。」


翔平「はい。おやすみなさい。」


「おやすみなさい。」





そう言って


アパートの階段を上って行ったAさん。




そんな彼女が見えなくなるまで見送って家に帰った。

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