不器用な恋 〈1〉

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佐々木「今度から新しいやつが来るんで
よろしくお願いします。」




出産を機に


ランペのヘアメイク担当の方が1人退職された。



とても感じのいいお方だったから寂しいけど、


元気な赤ちゃんを産んでほしい。




まさか、別れの次に訪れる出会いが、


人生最大級の出会いになるとは、


思いもよらなかった。





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撮影のため向かったスタジオ。



寝起きのままノーセットの髪型は、


安定の寝癖でいい感じに決まっている。




メンバーに寝癖をいじられて、


寝癖で跳ねてる毛先を指先で触った。




我ながら上出来な寝癖である。




撮影のためにセットしてもらえるから、


多少の重力に反した寝癖は気にしない。




翔平「おはようございますっ。」




普段の朝のテンションでメイクルームに顔を出した。




佐々木「おはようございます。」


「おはようございます。よろしくお願いします。」





翔平「っ！！！」




佐々木さんの隣にいる新しいヘアメイクさん…。




そんな彼女を見て、衝撃が走った。





雷に打たれたかのような、



心に矢が刺さったかのような



…なんでしょう？この感覚は。




佐々木「浦川さん？」


翔平「は、はい。」


佐々木「こいつ新しく担当する佐々木Aです。」


「よろしくお願いします。」




微笑みながらお辞儀をした彼女をまじまじと見れず、


ペコッとお辞儀をした。




「ふふっ。」


翔平「っ…。」

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