すぐそばに君はいた −6−

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陸side



今日はZeppでキックオフミーティング。



ファンの人達に会えることは本当に嬉しいこと。





メイクルームに行くと、綺麗な鼻歌が聞こえた。




陸「この声が届くまでー歌い続けるよー♪」


「あ、歌泥棒。」


陸「ふふっ。」




なぜか“ 空 ”を鼻歌で歌っていたA。



それに被せて歌うと、笑われた。




「陸さんいつも入ってきますよね。」


陸「そう？」


「そうですよー。
もうこの際だから、陸さんに歌ってほしい曲流そ。」



そう言ってスマホをいじり出したAが


本当に曲を流した。




陸「あぁいいね。」




曲が流れて歌い始めた俺を見て、


ふふっと笑いながらAも歌い始めた。




陸「ちょ、なんでAが下歌うんだよ。笑」


「陸さんの綺麗な歌声を
邪魔したくないからですよー。」


陸「ふははっ。」





ヘアメイク中、2人で歌って盛り上がってた。




ライブ中、マイク向けても歌わないし


カラオケも誘っても拒否なのに、


こういう時は楽しそうに歌ってくれるA。




のびやかで綺麗な声。


音程も安定してて普通に上手い。




これを隠してるなんてもったいない！





翔平「楽しそうな歌声が外まで聞こえてますよ。」




メイクルームに顔を出した翔平に言われた。




「翔平も歌う？」


翔平「いや、」


「えぇ翔平の歌声好きなのに。歌ってよー。」


翔平「断るっ！！」




そう言って居なくなってしまった翔平。





「えぇひどくないですか？」


陸「ふふっ。翔平らしいね。笑」





Aに好きと言われて照れたんだろうな。



いいもん。今度、強制的に歌わせてやるんだから。


ってスマホをいじりながら話すA。




うん。想像がつくよ。



女王に無理やり歌わされてる翔平の姿が。





翔平はAに勝てないから。








健太「あれ？空いてないか。」


陸「あ、俺もう終わった。」


「私も終わってます。」


健太「えっ？じゃあ何してんの？」


「歌ってました。」




メイクルームに人が来ないことをいいことに


メイクが終わってからも歌ってたら、


顔を出した健太が、はぁ？って笑った。




「どけますね。」


陸「俺も。」




2人で席を立って、メイクルームを出ようとした。

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