すぐそばに君はいた −5−

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普段男に囲まれてるから、


あんなに大勢の綺麗な女性が集まると


ソワソワするなぁなんて考えていたら、


トントンっと肩を叩かれた。




「あっ！」




振り向くと元彼が立っていて、


久しぶりって声をかけられた。




整った小さな顔。


何頭身ですか？ってくらいスラッと伸びた脚。



さすがモデルだわ。




元気そうだねって軽く話して、


じゃって話を切り上げてトイレに行った。




話してても何とも思わない。



前はすごいときめいてたのに。




健太さんの方が100倍、いや1000倍カッコイイ！





ランウェイをW白石で歩いた。


ライブとは違う歓声。



麻衣ちゃんと歩くランウェイは楽しかった。




麻衣「はい。これ。」


「ん？」




ランウェイが終わって、帰る支度をしていると、


麻衣ちゃんに紙袋を渡された。




麻衣「もう少しで誕生日でしょ？
次会う機会分からないから
ちょっと早いけどプレゼント。」


「うわぁ、開けていい？」


麻衣「どうぞ。」


「ん！これ、この前いい匂いって話してた
麻衣ちゃんの香水だ！」


麻衣「そう。もし良かったら使って？」


「ぜひ！ぜひ使わせていただきます！」


麻衣「うん。22歳かぁ。若いなぁ。」


「ふふっ。お姉様っ。」


麻衣「女王のお姉様ってやばいね。」


「んー…女帝？」


麻衣「女帝っ？！笑」


「ふふっ。麻衣ちゃんに似合ってる！
じゃ、リハ行ってきます。」


麻衣「お疲れ様！頑張ってね。」


「またLINEしまーす。お疲れ様でーす。」




麻衣ちゃんが愛用している香水を、


まさかプレゼントでもらうなんて。



嬉しい！誕生日迎えたら使おう。




テンションの高いまま、


マネージャーさんの車に乗って事務所へ向かった。





バッチリメイクの私を見て、


女子みたいって言われた。



一応ね。一応女子なの。


今日アイドルの子と一緒にランウェイ歩いたの。



でも、今日改めて感じたよ。


私はこの16人といる時の方が気が楽だってことを。




薄々気付いてたけど、


中身は女子じゃないのかもしれない。

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