すぐそばに君はいた −5−

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陸「Aー！健太ぁー！」



陸さんに名前を呼ばれて見ると、


インスタライブをしていた。




「わぁーすっごく綺麗ですよー！」



スマホに向けて話して手を振りながら歩いた。





「うわっ！」


健太「っ！」




躓いて転びそうになった私の腕を


咄嗟に掴んでくれた健太さんのおかげで


転ばずにすんだ。




「ありがとうございます。」


健太「気をつけて？」


「すみません…。」




少し距離をとって歩き出した健太さん。



カメラが向けられてるからだろうけど、


ちょっと傷つく…。




陸「健太ナイス！A大丈夫？」


「大丈夫でーす。夜道は足元に気をつけて
皆さんも楽しんでくださいねー。」


陸「ふふっ。びっくりしたぁ。」






健太「…。」


「…。」




イルミネーションがキレイで浮かれてたせいで…。




テンションが上がってるのは私だけ。



隣を歩きたかったのも私だけ。




そう思うと切なくて、足を止めた。




2.3歩歩いて、


私が歩いてないのに気付いた健太さんが


足を止めて振り向いた。




「…。」


健太「足痛めた？」


「ううん。大丈夫です。」


健太「じゃあ行くよ。」




そう言って私の方に右手を伸ばしてくれた。




その手を繋いでいいのかな？




健太「A？行こ？」


「…はい。」




健太さんの隣に行って差し出してくれた手を握った。




お互い何も話さなかった。



でもキレイなイルミネーションの中、


手を繋いで隣を歩くだけで幸せだった。




移動車についてパッと離された手。





短い短いデート。




数分だけど幸せにさせてくれる健太さんが


やっぱり大好きだ。

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