すぐそばに君はいた −3−

126 健太side ページ26

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マネージャーが事務所に報告は明日でいいって


Aに声をかけてて、


マネージャーの車で一緒に帰った。




泣きもしない…ずっと前だけを見てるAに


俺はなんて声をかけていいか分からなかった。





「ありがとうございました。お疲れ様です。」




いつもと同じ声のトーンで


マネージャーに挨拶をして


マンションの中に入って行ったA。







健太「A。俺はAの力になれない？」


「…。」




首を横に振ることも頷くこともせず


エレベーターに乗り込んだAと一緒に


俺もエレベーターに乗った。





健太「…？」



Aの階に着いたのに降りようとしない。





ひらくのボタンをずっと押して待ってたけど、


足を動かそうとしないA。




「家…行ってもいいですか？」


健太「いいよ。」


「…。」





俺の家に着いて着替えを渡して、


自分も別の部屋で着替えてリビングに戻ってくると、


Aは服を抱えたまま立っていた。




健太「辛かったら泣いてもいいんだよ？」


「…。」


健太「俺には甘える約束でしょ？」


「……。」




ねっ？って頭を撫でると涙が1粒頬を伝った。




健太「怖かったね。」


「うん…。」





大丈夫だからってぎゅっと抱きしめると、


胸の中でうぅ…って泣き始めた。





ずっと耐えてた涙がやっと流れて、


一先ず ホッとした。

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