すぐそばに君はいた −3−

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北人「今日の衣装、
彼氏から借りました感強いよね。」


「このサイズだと龍かな？まこかな？
あっ、海青ですかね！」


北人「否定はしないんだね。笑」


「私もこの衣装って言われた時思いましたもん。笑」



白のビックシャツに


中はボディーラインがわかる黒のタンクトップ。


それが微かに透けていて、


黒いショートパンツに膝上のロングブーツ。




メンバーもクールに決まってて、


一緒にいたら違和感はないけど…


確かに彼氏のシャツ借りちゃった感は否めない。





「でも腹だしじゃないから良かったです。
腹出てたら冷えるから。」


北人「腹って言わない。笑」


「ふふっ。へそ出し。」




他のメンバーにもエ ロいねって言われて、


とうとう色気の出る女性になったのかも！


って言ったら、


勘違いやでって真顔の陣さんに一蹴された。







スタッフさんが楽屋に入ってきて、


ソロカットの撮影のため名前を呼ばれた。




壱馬「Aが1番て珍しいな。」


「行ってきまーす。」




いつもヘアメイクとかにも時間がかかる私は


1番で呼ばれることはあまり無い。


数人が撮影終わった頃に


じゃあ次行きますかくらいなんだけど、


確かに珍しいなぁなんて私も思ってた。




スタッフさんに今日の衣装似合ってますね


って言われて、


ありがとうございますって返しながら歩いた。






こちらですと言われたところは、



…撮影スタジオじゃなくて倉庫だった。





「えっ？あの…きゃっ！」




なんのドッキリですか？って思って


スタッフさんに話しかけようとしたら


無理やり倉庫に押し込まれた。





「あの…」


男「やっと2人っきりになれたね。」


「はい？」





意味がわからないし、気味が悪い。




早くこの場から逃げたかった。




「あの、撮影は？」


男「俺の事忘れちゃった？」


「…。」


男「俺はずっと見ていたよ？」


「…っ！」





ずっと見ていたよって声でやっと気付いた。




この人……昔、つきまとい行為してきた人だ。




あの時と比べて物凄く痩せてて全然気付かなかった。




そうだよ。



あの握手した時の胸騒ぎは……これだ。

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