信じてもいいですか？ [３]

141 樹side ページ43

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樹side



泣きながら、


ファンの人たちの期待を


裏切ることはしたらダメと言ったA…。





こんなに近くにいるのに、


俺は、その涙も拭ってあげられないの？




樹「俺のこととか、メンバーのこととか、
ファンのこととか…そうじゃなくて、
Aは……もう俺のことが嫌いなの？」


「…。」


樹「もう…俺への気持ちはないってこと？
もう好きじゃないってこと？」


「好きに決まってるじゃん！！
好きだから、好きだから…だから傷つけたくない。」




泣きながら言ったその言葉は本心だって信じていい？





樹「好きなのに、このままの関係の方が傷付く。」


「…えっ…。」


樹「Aが自分の気持ちに
嘘ついてる方が傷付く。」


「…。」



俯いて泣いているAの手を握ると、


こっちを向いた。




樹「前に、俺がいるから頑張れるって
言ってくれたの覚えてる？」


「…。」


樹「俺も、Aがいるから頑張れる。」


「…。」


樹「もしもの事ばかり考えるんじゃなくて、
今、Aがどうしたいか教えて？お願い。」





「…………また…
い、いつきの…そばに……いたい。」





ポロポロと涙を流しているAの隣に座って、


抱きしめた。




樹「そばにいてほしい。
俺もAのそばにいたい。離したくない。」



「うぅ…んうっ……。」




俺の胸の中で、頷いたAの頭を撫でた。




樹「好きだよ。」



「……う、ん。」


樹「大好き。」




ぎゅっと力を入れて抱きしめた。



もう離したくない。





今までは守られていたかもしれない。



でもこれからは俺がAを守り続けたい。

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