信じてもいいですか？ [１]

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ご飯何食べたいとかある？

ご希望に添えないかもしれないけど。




仕事が終わってLINEしたら

少ししてから返信が来た。



樹 “ 出前でもとろうよ！”



「…。」




つまり私の作る料理は嫌という事ね。


まぁ芸能人の肥えてた舌には

庶民の味なんて合わないの分かってたことだけど。



そもそもそんな料理得意じゃないし。



別に作りたかったわけじゃないからいいけど。




コンビニで昼ごはんのお弁当を買って家に帰った。



夕食を作らなくていいからゆっくり寝よ。




夕方、アラームが鳴る前に目が覚めた。



樹くんからの連絡は来てなかった。



しばらくしてから、


9時くらいに行ってもいい？


ってLINEが来て、どうぞって返信した。



21時過ぎにインターフォンが鳴り、

樹くんが家に来た。



「どうぞ。」


樹「お邪魔します。」



何度来ても必ずお邪魔しますって

言ってから家に入る樹くん。



やっぱり育ちいいんだろうな。



樹「何食べたいとかある？」


「特にない。」


樹「食べれないものは？」


「ない。」



可愛げのない返事をしたのに、

何にしようかなって携帯で検索し始めた樹くん。



美味しいカレーがあるから

それにしようって注文してくれて、届くのを待った。





カレーくらいなら作ったのに。


そりゃお店の味には勝てないけど。




樹「帰ってから寝た？」


「うん。」


樹「良かった。」


「…。」



微笑んだ樹くんは優しそうな顔をしていて、

どう反応していいか分からなかった。



樹「ご飯作ってってお願いしたら、
寝ない気がして。」


「えっ？」


樹「俺のせいで睡眠時間削るのは嫌だから。」


「…。」





知らなかった。


そんな…私のことを気にかけてくれたってこと？




えっ…自分、めっちゃひねくれてたじゃん。



「…てっきり私のご飯が
食べたくないんだと思ってた。」


樹「まさか。Aちゃんのご飯美味しいし。」



「……ありがと。」



気にしてくれてたのに…


私って、すごい嫌なやつじゃん。

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