信じてもいいですか？ [１]

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樹くんが隣にいると思うと全然眠れなかった。



少し動いただけでも目が覚めちゃった…。




夜勤の仮眠も救急車の音で

目が覚めるくらい眠りは浅い方だから仕方ないけど。




樹くんを玄関で見送って寝室に直行した。




眠っ…。



ベッドに横になり目を閉じた。




まだベッドの中が温い。



ここに樹くん寝てたんだ…変な感じ。




何もしないと言った通り、

本当に指一本触れることなくただ寝てたなぁ。



ホッとしたけど…

手を出されないというのも女としてどうなのか、

少しだけモヤっとした。




いや、これは男女の心理学的に…


その…あれだから………


遊び人なのに手を出さないって…


本当によく分からない人。






遊び人なのかな？



家に遊びに来て、何もしないで帰る……




なんなんだろ？





二度寝していつもの時間に出勤した。




「お疲れ様です。」



部署に行くと、私を見つけるなり近寄ってきた先輩。



先輩「昨日Mステ見た？ランペ！
出るよって言ったじゃん！」


「あぁ見ました。」


先輩「どうだった？
どれがAちゃん的にカッコよかった？
りっくんカッコよかったでしょ？」


「えっと……。」




りっくんって人はボーカルの右側の人だったはず。




…………ちゃんと見てないや。



「…皆さんカッコよかったですね。」


先輩「確かにみんないいんだよ！！
でもりっくんが1番だけど。」


「ふふっ。」



楽しそうに話す先輩を見て、

ファンって凄いなぁなんて思った。



先輩「今度ライブあるんだけどさー。
チケット外れたんだよねー。」


「そうなんですか。」


先輩「遠征したかったけど、
今、長期休み取れないじゃん？」


「そうですね。」


先輩「行きたかったー。
箱のキャパの問題なんだよね！
人気あるの事務所だって分かってるんだから、
ドームでやってくれたらいいのに。」


「へぇ…。」




全然ついていけない。


人気あるんだ。


そりゃあるか。



Mステ出るくらいなんだもん。




そんなグループの1人が


昨日、私の家に泊まってましたよ。


なんて言ったら大騒ぎなんだろうな。




想像しただけで震えてくる。



口が裂けても言えない。




言う気は無いけど。

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