信じてもいいですか？ [１]

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奈緒「あー来た来た。」


「遅くなってごめん。」


奈緒「ううん。大丈夫。さっ、行こう！！」


「ちょっ、行くってどこに？」




奈緒に呼ばれて、待ち合わせ場所に行った。



電車の遅延のせいで待ち合わせ時間に遅れた。


いつもなら、

待ったからビール1杯奢りねとか言ってくるのに

そんなことも言わずに歩き出した奈緒。



どこに行くのか聞いても、

着いてきてよと言われるだけで、

教えてくれなかった。




ついて行ってたどり着いた居酒屋。



店員に名前を言ってるってことは予約してたんだ。



遅れて申し訳なかったな…。


って電車が遅延したからなんだけど。





「えっ…。」



案内された個室には既に人がいた。



おーやっと来た！って笑顔の男性と、

私たちを見て無言の男性がいた。




奈緒「電車遅れちゃって。」


「…。」




今日2人じゃなかったの？


他に男性が2人いるなんて聞いてない…。



まぁ座りなよって笑顔の男性の横に、

躊躇なく奈緒が座った。




空いている席は

まだ一言も話していない男性の隣だけだったから、

仕方なく座った。




聞いてないよ。って奈緒に言いたかったけど、


こっちを見ることなく

何飲もうかなぁーなんてメニューを見ていた…。




奈緒「やっぱ1杯目はビールかな。Aは？」




「…ビールで。」



さっきからよく喋る笑顔の男性が

来た店員にビール2つって頼んでくれた。




隣にいる男性をチラッと横目で見たけど…


生きてるよね？


動いてるよね？




全く話してないけど…。



奈緒「紹介するね。こちらA。」


「初めまして。あの…」


奈緒「で、こっちは私の彼氏の一郎くんです！！」


「えっ…」



彼氏？！



ついこの前までいなくて

出会いが欲しいって言ってたのに。



いつの間に出来たんだ？




よろしくって笑顔で言われて、


はい。と返事をしてしまった。



Aにどうしても会わせたくて！

って幸せそうな奈緒。




それなら…事前に教えてくれてもいいのに…。

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