［普通］って何？ −3−

特別編 5 壱馬side ページ44

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壱馬side



朝、目が覚めて

横にいるAを見ると、目が合った。



壱馬「あれ？起きてた。」


「…おはよう。」


壱馬「おはよ。」



眠れなかった？って聞いたら、

普段から早起きだからって言われた。



確かに一緒に暮らしてた時も早起きだったな。


寮生活で朝の時間に余裕があるはずなのに、

早起きのままなのがAらしいな。



壱馬「ん？」



近づいてきてぎゅっとしてきたA。



「…昨日……ありがと…。」


壱馬「そんな可愛いこと言われたら、
またしたくなるんだけど。笑」


「っ！！」



俺から急いで離れたAの顔が

真っ赤になっていた。



壱馬「ふふっ。笑」


「た、ただ、ありがとって言っただけじゃん。」


壱馬「その反応も可愛い。」


「…。」



言葉も仕草も全て可愛い。





壱馬「朝ごはん何時からだっけ？」


「6時からやってるはず。
準備して朝ごはん食べに行こ。」


壱馬「うん。」



朝食を食べてチェックアウトしてホテルを出た。



「ピアス付けてくれてありがと。」


壱馬「似合う？」


「うん。」



サプライズでプレゼントを用意していたら

まさかの逆サプライズをくらった。


さすがだわ。俺の可愛い彼女は。



昨日の夜、何をお揃いで買うか話し合って決めてた。


店に入り、どれにする？って相談しながら、

お互いが気に入ったペアウォッチを買った。



その後も激辛料理を食べに行ったり、

時間が許す限り一緒に居た。



門限の時間も近づいて…寮まで送っていった。



「…。」


壱馬「A？」



さっきから口数が減った気がする。



「寂しい…。」


壱馬「冬休みもたくさん遊ぼ。
あっ、家に泊まりに来る？」


「ふふっ。ありがと。」



寂しい気持ちは俺も一緒だよ？


2日間ずっと一緒に居たんだから

離れるのは寂しいに決まってる。


でも会えないわけじゃないから。



壱馬「じゃあね。」


「送ってくれてありがと。気をつけて帰ってね。」


壱馬「うん。じゃ、ごきげんよう。」


「ごきげんよう。」



見送って帰る時は、

ごきげんようで終わるのが定着している。

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