［普通］って何？ −3−

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壱馬side



学校帰り、マンガを買いに行ったついでに、

ぶらぶらと1人で街を歩いていた。




壱馬「あっ…。」




Aちゃんが学校の人達と

楽しそうに話しながら歩いている姿を目撃した。



壱馬「…。」



声をかけるほど近くもないし、

近くてもあの女子の軍団に声をかける勇気がない。



楽しそうに笑ってるAちゃんを

少し離れたところから見ることしか出来なかった。




壱馬「っ！！」



あれは……。



カバンに家を出ていく時にあげた

狼のぬいぐるみがついていた。




“なんかこれ壱馬くんみたいだよね。”



あの時Aちゃんが言った、

言葉の意味ってなんだったんだろう。



大切にしてくれてる事が分かって嬉しかった。




結局夏休みも会えず、今こうやって会うとはなぁ…。


って会ったというか

見たというのが正しいんだろうけど。



元気そうでよかった。



女子の軍団に居たからか、

前より女の子っぽくなった気がする。気のせいか？




壱馬「今日街でAちゃん見た。」


北人「マジで？いいなぁー。俺も会いたかった。」


慎「Aちゃん……？」


北人「あぁここに前住んでた子。」


慎「へぇー。」


北人「で？話しかけたの？」


壱馬「いや、あっち友達といたし、
声かけるほどの距離じゃなかったから。」


北人「なーんだ。」



なーんだってなんだよ。



なんで北人がガッカリしてるんだよ。




北人「今日街にいたよね？ってLINEしてみたら？」


壱馬「なんかストーカーっぽくないか？
そのLINE。」


北人「そう？そんなことないと思うよ？」


壱馬「まぁ気が向いたらね。」


北人「…。」






AちゃんのLINEを開いた。



でも…文字を打つことなくLINEを閉じた。




そんなLINE送られても困るだけだろうし。

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