［普通］って何？ −2−

54 壱馬side ページ4

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「うん。あっ、昨日割れたマグカップあるじゃん？」


壱馬「…。」


「あれ、双子の樹と
お揃いのマグカップだったんだよねー。」


壱馬「えっ…彼氏じゃないの？
あの写真の男って双子のお兄さんだったの？」


「ん？……私の部屋に入ったことあるの？」


壱馬「あっ…。」




やべっ…。


部屋に入ったのバレた。苦笑



「ふふっ。写真見たんだ。イケメンだったでしょ？」


壱馬「…。」


「あれが双子の片割れだよ。樹っていうの。
全然似てないでしょ。
よく見たら鼻が似てるとは言われるんだけどね。」


壱馬「へぇー。」




彼氏じゃねーんだ。



なんだろう。


少しホッとしてる自分がいる。





「私、あのマグカップ、
樹のやつ割っちゃったんだよね。」


壱馬「えっ？」


「あれ、家族旅行でたまたま
2人とも気に入って買ったやつなんだけど、
食器棚から自分のマグカップ取ろうとしたら
樹のやつ落としちゃって。」


壱馬「…。」


「樹がね、形あるものはいつか壊れる
って怒ることなく許してくれたの。」


壱馬「…。」


「私も昨日…壱馬くんに謝られて、
樹の真似しようと思ったら
全然スムーズに言えなくて…。」


壱馬「ごめん。」


「ううん。違うの。
温厚な樹みたいに言えたら良かったんだけど、
ショックの方が大きくて。
でも本当に怒ってないから。謝らないで。」


壱馬「ん。」


「まっ、そんな感じ。ほら食べ終わったら病院ね。」


壱馬「ごちそうさまでした。」



食べ終わった食器を持って

俺の部屋を出て行ったAちゃん。



ダルい身体を無理やり起こして着替えた。



壱馬「病院行ってくる。」


「一緒に行こうか？」


壱馬「ううん。大丈夫。一人で行ける。」


「分かった。行ってらっしゃい。」




Aちゃんに見送られ病院へ向かった。



近くのクリニックに受診して、

薬を処方され家に帰った。



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やっと樹とAさんの関係性が言えた！

双子ちゃんでした！笑

知ってますよ。本物の樹くんは三つ子のを。
でも作品の中で三つ子にするとややこしくなるので
双子にさせていただきました。
ご了承ください。

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