80 壱馬side ページ30
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男「ねぇ君いくつ?」
「……えっ?私ですか?」
男「そう。いくつかなぁーって思って。」
「えっと…。」
Aちゃんの隣の男が
いきなりAちゃんに話しかけてきたせいで
驚いて固まってしまった。
ニヤニヤした顔が気持ち悪ぃ…。
助けを求めるかのように、
バッと俺らを見たAちゃん。
その間も終始、ねぇって
Aちゃんに話しかけてきた。キモっ…。
北人「席、替えよっか。」
「…うん。」
北人が席を立ち上がり、席を交換した。
北人「大丈夫?」
「うん。ありがと。」
壱馬「まさか話しかけてくるとはな。」
「ねっ。驚いちゃった。」
壱馬「…。」
驚いちゃったって微笑んだAちゃんが
無理に笑ってることはすぐに気付いた。
劇場内が暗くなり、予告が始まった。
Aちゃんを安心させるために、
この俳優カッコイイよね。
このマンガ実写になったんだね。
って北人がたくさん話しかけてた。
「ふふっ。大丈夫だよ。」
北人「…うん。」
「ありがとう。」
予告が終わり本編が上映されて、
劇場内が静まり返った。
スクリーンに映し出される作品に
ここにいるみんなが集中していた。
チラッと隣に座っているAちゃんを見た。
壱馬「…。」
スクリーンを見ているものの…
太ももに置いてある手が震えていた。
そんなに怖かったんだ。
スクリーンを見ながらAちゃんの耳元で
小声で大丈夫?って聞くと、
俺を見ることなくコクンっと頭を動かした。
頷いておきながら、
その手は震えが止まりそうもなかった。
嫌だと払いのけられてもいい。
放っておけないんだ。
震える手を包み込むようにぎゅっと握った。
壱馬「大丈夫。」
「…。」
震えていた手はものすごく冷たかった。
振り払われることなく
しばらく手を握ったまま映画を見ていた。
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れお(プロフ) - Megさん» ありがとうございます!楽しんで見させて頂きました! (2020年12月7日 22時) (レス) id: edb2b83ba4 (このIDを非表示/違反報告)
Meg(プロフ) - れおさん» コメントありがとうございます!!更新少しですがしました。ぜひ続きも読んでください。 (2020年12月7日 18時) (レス) id: 9ec0205a78 (このIDを非表示/違反報告)
れお(プロフ) - めっちゃ続き気になります!更新頑張ってください! (2020年12月6日 14時) (レス) id: edb2b83ba4 (このIDを非表示/違反報告)
Meg(プロフ) - ゆえさん» ありがとうございます!!素敵かどうかは自信があまりないのですが、これからもドドーンと更新できるように頑張りますので読んでくださいねー!! (2020年12月5日 17時) (レス) id: 9ec0205a78 (このIDを非表示/違反報告)
Meg(プロフ) - ariariarlさん» ありがとうございます!!これからもバンバン更新出来たらと思ってますので読んでください!!今回も波乱の予感なので!笑 (2020年12月5日 17時) (レス) id: 9ec0205a78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Meg | 作成日時:2020年11月29日 23時