［普通］って何？ −2−

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北人「でも幸せなんだってー。」


壱馬「幸せ？」


北人「そう。俺らとの生活楽しくて幸せなんだって。
親はどっちも夜遅くまで働いてて
一緒にご飯食べることも滅多になかったみたいだし、
双子の兄は中学生の頃から学生寮に入ってて、
一緒に住んでないし。
自分の作ったご飯を美味しいって言って
食べてくれる人もいなかったみたいで。だから、
俺らと一緒にご飯を食べるのが幸せなんだって。」


壱馬「ふーん。」



この前、

2人でご飯を食べるのは気まずいって思って…

行きたくもないカラオケに行ったけど


…その時どんな思いだったんだろ。



1人で…ご飯を食べたんだよな。


あの日は。寂しかったのかな…。





壱馬「……お前…何でも知ってんだね。」


北人「何でも話せるお友達って感じなんだろうね。」


壱馬「…。」




俺には全然話さないのに…。



やっぱり北人は特別って訳か。




北人「悲しいと思わない？」


壱馬「悲しい？何が？」


北人「だって、双子の兄と
同じような扱いってことでしょ？」


壱馬「…というと？」


北人「Aちゃんってことある事に
双子のお兄さんの樹くんって人に相談するんだって。
すごい些細なことでも相談してから決めるらしい。
俺も相談相手みたいなもんだもんなぁ……。」


壱馬「…。」




羨ましいけどな。


心開いて仲良い関係が。



あいつ北人にはなんでも話すんだな。



北人「まっ、別にいいんだけどね。
悲しいポジションでも。」





そう言って立ち上がった北人。


今日のお昼は何かなぁー

って冷蔵庫の方へ行ってしまった。



壱馬「てか、双子だって知ったの？」


北人「いや、それは最近聞いた。
樹くんとは毎日連絡取り合ってるんだって。
仲良いよねー。」


壱馬「へぇー。」




北人「ねぇ…壱馬くん」


壱馬「ん？」


北人「これ、忘れてる。」


壱馬「はっ？」




北人がお弁当を持ち上げて、俺に見せてきた。




あいつ…。


確か日曜日はレストランはやっていないはず。


そして学校の近くにコンビニもない。



つまり、これが無いと昼抜き…。



壱馬「はぁ…仕方ねぇな。」


北人「俺も行く！！」


壱馬「えっ？」


北人「どんな学校なのか見てみたいし。」


壱馬「あぁ。すぐ準備して行くぞ。」


北人「うん。」



ったく。大事な飯を置いて行くなよな。




着替えて2人で家を出た。

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