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本を読まず、左右をキョロキョロと見ている彼女…。
勇気を出して彼女に近づいた。
そんな俺を見た彼女が立ち上がった。
「これ、あなたの?」
有剣「うん。」
「はい。」
有剣「ありがと。」
はいって渡された携帯を受け取った。
「よかった。」
有剣「えっ?」
「持ち主の所に戻れてこの携帯は幸せものだね。笑」
有剣「ふっ。笑」
胸が苦しくなった。
俺に向けられた笑顔がたまらなく可愛くて…。
こんなに胸がバクバクしてたことあったかな?
「じゃ。」
有剣「あっ……」
ペコッと頭を下げて歩いて行ってしまった彼女。
もっと話したかったのに…。
有剣「…。」
背中を向けて歩いている彼女から目が離せずにいた。
佐智雄「だから言ったろ?上手く行かねぇって。」
有剣「…。」
仁川「んだよ。失敗かよー!!」
彼女が居なくなったと思ったら、
周りにみんながいた。
名前も知らねぇ。
でも…
彼女の視界に俺が1度でも入れたことが嬉しかった。
俺に向けられた笑顔が頭から離れねぇ…。
.
翌日……
仁川「さすがに雨の日はいねぇか。」
有剣「あぁ。」
仁川と公園を通ったけど
雨の中濡れてるベンチには誰もいなかった。
って当たり前か。
有剣「あっ…。」
ガッカリしてると
前から見覚えのある制服の子が
傘をさしながら歩いてきた。
「あっ!昨日の。」
仁川「っ!」
有剣「どーも。」
「今日じゃなくてよかったね。」
有剣「えっ?」
「雨で水没してたかもよ?」
有剣「あぁ。」
「ふふっ。じゃ。」
そう言って俺らの横を通り過ぎて
行ってしまった彼女。
そんな彼女を目で追っていると、
良かったなって仁川がニヤッと笑った。
仁川「きっかけにはなったみてぇだな。」
有剣「…だといいけど。」
仁川「もっと喜べよ!!」
有剣「ふっ。」
心の中では喜んでいる。
俺を見て普通に話しかけてくれたことが
些細なことだけど嬉しかった。
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うに - 今更ながら読ませていただきました…笑 みんなの特徴捉えてて最高です!!轟くんがもう最高ですね、面白い小説をありがとうございます!! (7月23日 17時) (レス) @page18 id: 67c9f38a7a (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - すっごい面白かったです! 今度は小田島くん落ちのを書いていただけると嬉しいなぁ (2021年12月15日 2時) (レス) @page45 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
さ??♀?(プロフ) - Megさん» 読みました。最高。妹居るとか萌えますねんふふ (2021年8月13日 6時) (レス) id: 3171887382 (このIDを非表示/違反報告)
Meg(プロフ) - さ??♀?さん» コメントありがとうございます。もし良かったら、非表示にしていた続きを数日だけ公開するので、読んでみてください。お気に召すかはわかりませんが汗 (2021年8月13日 0時) (レス) id: 9ec0205a78 (このIDを非表示/違反報告)
さ??♀?(プロフ) - やばいです。めっちゃ感動して一気に読みました。三時に寝ました。寝不足です笑。轟の時々の甘さがもう最高。何回も思い出してにやけてしまいます。 (2021年8月11日 11時) (レス) id: 3171887382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Meg | 作成日時:2020年9月9日 20時