ただいまを待ってる。

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愁平くんと少しの間話して、


遅くなったら親が心配するから


帰ろうかってなった。



私の乗る地下鉄のホームまで


送ってくれた愁平くん。



反対方向なのに…って気にしてたら、


こんな距離気にしないよって。



何なら最寄り駅まで


一緒に行きたいくらいだよ？って言われた。



愁平くんが放つ言葉に、


その都度キュンと胸が締め付けられる。



あー…この締め付けられる感じ…


慣れなくて苦しい…。




愁平「手冷たくない？笑」


「ん…緊張してるから？」


愁平「ふふっ。何にさ。
緊張する必要ないじゃん。」


「明日になったら、
やっぱ気分じゃないとか言われるのかな…とか。」


愁平「それは絶対にないから。
むしろ俺のこと知って嫌われたら
どうしようって不安で仕方ないよ。」


「嫌いになんて、ならないよ。」


愁平「ふふっ。よかった。」




繋いでる手がぎゅっと力強くなった。


これは…現実なのか…夢なのか…。



夢なら醒めないで…



あれ？そんな歌詞あったような気がする。




地下鉄が来て、愁平くんとバイバイした。


電波のない圏外の地下鉄は何をするでもなく、


ただただぼぉーっとしてるだけ。



ガラス窓に映る自分が…


まるで別人のように感じた。



私ってこんなに幸せオーラ満開の人間だったっけ？





自分の家の駅で降りると、


愁平くんからメールが届いてた。



“いきなりのことで驚かせてごめん。
これからゆっくりでいいから
お互いのことたくさん知っていきたい。
大好きだよ！”




地下鉄に乗ってる間に


心臓の音がやっと静まったのに、


またキュンと締め付けられて痛いよ。



…心臓…何個あれば足りるの？



回復出来る呪文はありますか？


回復出来るキノコはどこで手に入りますか？



“今駅に着いたよ！
びっくりしたし今も夢だと思ってる！笑”




私も大好きですって…送る勇気がなかった。



だって…恥ずかしいから。




“夢じゃないよ！”って返信が来たけど、


現実だとはまだ思えない。苦笑



“これからは用もなくても電話やメールしていい？”




もちろんです！って返信してからも、


家に着くまでずっとメールのやり取りが続いた。




これが現実だと理解出来る日はいつなのか。



いや訪れるのか…。

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