if【ONE PIECE】chapter2 (ページ7)

今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:5,592 hit

episode21 ページ7

涙はしばらく止まらなかったが、自分が置かれている状況を考えると、泣いている訳にはいかないのでぐっと堪えて涙を拭う

意識を失う前の記憶が曖昧なのでひとまず自分がどこにいるのかどうか等知る必要がある

罠があるかもしれないのでおそるおそる窓の外を覗くと海が見えるだけ

船の上でもなさそうなのでどこかの家の一室だという事が考えられる

部屋には至って普通なシングルベッド、サイドテーブル、誰かが座っていたであろう椅子、クローゼット、本棚

クローゼットを開けるが何も入っていない

誰かの空き部屋なのだろう

ひとまず人がいないならいないでもそれは問題ないがここの家主がおそらく私をどこかで拾ってくれたのだろうか

あの後海軍に捕まってるとしたらきっと牢に入れられているだろうし

ていうかあの後どうなったっけ

1度に沢山いろんなことがあったので思考が追いついていない

今私は本当に独りなのだ

(せめて家に帰れたらお父さん達に連絡とれるのに)

あぁ、日記も家においてきてるし

私の所持品はバレッタと母の形見のペンダントのみ

お金もないしここがどこかもわからない

(完全に詰んだ)

ベッドに腰掛け唸っていると

――ガチャ

｢！！｣

部屋のドアが開かれ、入ってきたのは若くて綺麗な女性

深い緑の髪色、黒い瞳

バンダナをつけているこの女性はもしや…

｢あら！目、覚めたのね｣

女性はサイドテーブルに水とタオルを入れた桶を置いた

｢私はマキノ。貴女体は大丈夫？｣

(やっぱりマキノ！！っていうことはここは…！！)

でも何でこんな所に…！？

｢あ、大丈夫です…っ｣

｢そう、よかった！本当に吃驚したわ〜貴女が浜辺でボロボロで倒れてたから｣

｢えっ、私浜辺で倒れてたんですか｣

どういう事！？

｢何も覚えてないの？｣

｢えぇ…｣

思い出そうにもなんだか頭が痛くなる

｢貴女名前は？｣

｢え、…A…です｣

ファミリーネームは一応伏せておこう…

｢Aかぁ！いい名前だねっ｣

原作も実物もにこっ、と笑顔がとても可愛らしい

｢あの、見ず知らずの私なんかをここまで運んでくれたうえに手当てまで…本当にありがとうございます｣

｢どういたしまして！放っておけなかったしね。あ、でも運んだのは私じゃないよ｣

｢じゃあ誰が…｣

｢おーーーーいマキノーーーーーーー！！｣

外から聞こえるその大声に少し吃驚する

(聞いたことある声…)

ダダダダダっと足音が近づき、バターンと勢いよくドアが開いた

―――