if【ONE PIECE】chapter2 (ページ6)

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episode20 ページ6

――――――

真っ暗で何も見えない暗闇の世界

｢ここは…｣

私…何してたんだっけ

歩いていくとなにかに躓く

｢っっ！！お母さん…っ｣

アイボリーの髪が赤く染まる

｢い、や、いや、いや嫌嫌嫌嫌嫌嫌！！｣

転がる死体の中に母が血濡れで横たわる姿

｢そ…うだ、ぉ、かあさん｣

夢…これは夢だ

夢なら覚めて、はやく、はやくはやくはやく

―――

｢――――――っいやぁああっ｣

悲鳴を上げながら飛び起きる

心臓が暴れ、呼吸も苦しくなり、過呼吸になりかける

しばらくして体を落ち着かせた

少し冷静になって、自分の状況を確認する

両手首に付いていたはずの枷は見てみると付いていない

明らかに自分の物ではない服を着ていること、知らない部屋

サイドテーブルにイゾウにもらったバレッタ

そしてスカイブルーのペンダント…

｢こ、れは…っ｣

夢だと信じたかった

夢でなければずっと眠っていたかった

背けたい現実

｢お、お母さ、ん…｣

フラッシュバックする赤

“｢―――――愛してる｣”

｢〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ｣

頭がおかしくなりそうだ

｢くっ、ふ…ぅぅ…っ｣

私は、弱い

｢ああああああああああああ｣

涙はとめどなく溢れる

何も出来なかった、自分だけ生き残ってしまった

守るって約束したのに

また皆で航海しようって

絶対に助けるって誓ったのに

憎い、弱い自分が本当に憎い

強く、絶対に強くならなきゃいけないのに

お父さん、皆

約束破ってごめんなさい

守れなくてごめんなさい

皆に合わせる顔がないよ

私のせいだ

あの時すぐ助けれてたら

私に力があったら

｢うわああああああああああああ｣

取り返しのつかない紛れもない現実に

私はただ、涙を流す事しかできなかった

―――――――――――