if【ONE PIECE】chapter2 (ページ26)

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side story【with.Beckman】ページ26

＊山賊との1件より前の話

今日もマキノの手伝いを終え、シャンクスにひっついて回るルフィを置いて1人山へ修行中

｢――せぃ！！やぁあああ！！｣

短剣を振り回して風を切る

毎日似たような特訓をしてはいるが、何せ相手がいないのであまり成長は自分でも感じられない

｢…せめて練習相手がいればなぁ｣

｢俺が相手してやろうか｣

｢！？｣

声のする方へ振り向くと、何故か赤髪海賊団副船長ベン・ベックマンが木の上に寝そべって煙草を吹かしている

(なんでここに…！！？)

｢ベック！いつからいたの？｣

特訓場(ここ)に来るまで一応周りを警戒しながら来たつもりだったけど、相手は10年前とはいえ四皇の船員

私相手に気配を感じとらせるほど甘くはないということか

(それに私もまだまだだな…)

｢散歩してたら姿が見えたんでな。にしても、何故修行なんてしてるんだ？お前も海賊にでもなるつもりか？｣

何の為に強くなるか、か

｢…大切なものを守りたいの、何も失わないように｣

もう二度と、ね

そう言うとベックマンは何か考えるような表情をして煙草の火を消し、地面に降り立った

｢強くなりたいか｣

いつものクールな彼とは少し違って真剣な顔でこちらを見つめられ、ドキッとするが負けじと見つめ返す

｢なりたい、守れる強さがほしい｣

｢…そうか、良い目をしているな。来い、俺が相手になってやる。女子供でも甘くはせんぞ！｣

｢望むところ！！！｣

私が短剣を端に投げ捨てるのを合図に、お互い素手での勝負が始まった

―――

｢……はぁ、はぁ｣

結果はもちろん私の惨敗

10歳児が勝てる相手ではない

彼はというと、息が上がってすらなく、クールに煙草を吹かしている

｢まだまだだ…が、なかなかいい動きをしていたな。どこで覚えたんだ？｣

｢…ルフィのおじいちゃん｣

…と、その前に兄弟達に、ね

｢ガープか…なるほど｣

納得したような彼の表情は少し苦い顔をしている

｢それにしてもわざわざ相手してくれてありがとう、やっぱり相手がいないと練習にならなくて困ってたんだ！｣

｢あぁ、俺も良い運動ができた。また暇があれば相手してやるさ｣

｢やったー！…あ！このこと、シャンクス達には言わないで欲しいな、恥ずかしいし、なんか面倒くさそうだから！｣

あの楽観的な男のことだ、からかわれるに決まってる

ベックマンは了承してくれて、数回特訓に付き合ってくれたおかげで山賊との1件の時に成果をあげることができました

＊