今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:37,678 hit
小｜中｜大
30 ページ30
「ちょっと待って、頭が追い付かない……え、何？ そらる、お母さんに電話したの？」
「LINEやメールじゃ気付かれないかもしれないだろ」
「違う違う、そういう問題じゃなくて……嫌なこと言われなかった？ その……余計なことするな、とか」
「言われなかった。今日は帰れないからどうでもいいってさ」
「……なるほど。合点がいったよ」
おおかた、あの時電話していた相手の家に泊まるのだろう。
それなら僕がどこにいようが、外泊しようが関係ないはずだ。
そらるは僕にスマホを手渡す。
その画面を確認すると、確かに母の携帯との通話履歴があった。
「さぁて。夕飯まで暇だし、何しようか」
「あ、そらるのお母さんは？ 帰って来たら、挨拶しなきゃ」
「母さんは当分帰って来ない。大学時代の友達と旅行に行ってるから」
「そっか、ラッキーだね！」
「親がいたらお互い気ぃ使うからな」
そらるは自分のスマホを取り出すと、器用に片手で操作する。
「何してるの？」
「親に連絡。念のため、お前を泊めることを伝えておこうと思って」
LINEのトーク画面が開かれる。
見た限り、業務連絡のようなやり取りしかしていないようだ。
「『今晩、友人を泊めます』……っと」
「友人？」
あからさまに機嫌を損ねた僕の声に、そらるは可笑しそうに苦笑する。
「今度改めて紹介するから、今は友人ってことで我慢して」
「……うん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マミカ | 作成日時：2019年11月3日 16時
