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◆第三十五条 ページ35

なんとかこの沈黙を打破しなくては!
私は改めて自己紹介から始めることにした。


「初めまして、たぶん知っていると思いますが……Aと申します。沖田さんと同じ18歳です。ここでの生活も一ヶ月が経とうとしていて……」

「……………」

「………あの」

「……………」


自己紹介をしている最中も全く動かない斎藤さん。どうしたものかと頭を抱えていると……彼は手に筆を持ち、先ほど見せてくれたノートに何か文字を書き出した。私はそれを静かに眺める。


「貴方の事は前から知っていますZ」


と、ノートに綴った文字を見せてくれた。相変わらずこちらを見ようとはせず、ノートだけを見せてくるスタイルだったが。

それでも、あれだけ寡黙と言われた人が今こうして、私とノートを挟んで会話することが出来ている。
それ自体が凄く嬉しくて私は小さく笑みを浮かべてしまう。

緩む頬を、チラッと斎藤さんに見られた気がする。そんな私にお構いなく彼はまた、筆を動かした。


「すみません。人と話すことは昔から苦手なもので。特に女性と話す機会はほとんどなく……今とても、緊張してますZ」


長めに書かれた文書に目を通す。
読み終わった後に、彼の顔を見ようとして一瞬だけ視線が重なったが、すぐにサッと逸らされてしまう。

覆面で鼻の先まで隠された顔は、普通の人よりも感情が読みにくいけれど……きっと、「沈黙」と言われているのは、彼のシャイな性格からきてるモノなんだなぁって思った。


「私も、緊張しています。けれど、それと同じくらい……嬉しい気持ちもあります。やっとお話することが出来たなーって」

◇第三十六条→←◇第三十四条



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設定タグ:銀魂 , 真選組、万事屋 , 土方十四郎、沖田総悟   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:みさ | 作成日時:2016年7月16日 21時

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