◇第四条 ページ4
「コラコラ、そんな間近で見られたらビックリするだろ」
腕組みをしている勲さんが私の視線を感じ取ったのか、2人を制した。
「これは一体どういうことでィ」
「やっぱりお前達もそう思うか!」
「思うもなにも、どっからどうみても瓜二つじゃねェか」
3人は顔を見合わせると、やれやれといった表情で会話を続けている。
「俺もビックリしたんだぞ?いや〜目を覚ました君が、まさかこんなにもミツバ殿にそっくりだとは!」
「……ミツバ殿?」
勲さんは指で顎を摩りながら、私の顔を見つめ、驚いているみたいだった。
そして、隣にいる2人の男性の自己紹介をしてくれる。
「コイツがトシ……あー、真選組副長の土方十四郎だ」
勲さんが土方さんの肩にポンと手を置きながら話す。
空いている反対の手で、もう一人の男性の肩に手を置く。
「こっちが真選組一番隊隊長、沖田総悟だ」
「どうも」
「どうも……」
勲さんの自己紹介に軽く会釈をする土方さんと、挨拶をしてくれた沖田さん。
どちらも真顔のままだ。
「そういえば〜、君の名前をまだ聞いていなかったな」
「申し遅れました。私はAと申すものです」
少し動くだけでも体が痛む私は、首だけを下げ自己紹介をした。
「それにしても近藤さん。また厄介なモンを拾っちまったみたいですねィ」
「まったくだ。こんな忙しい時に、5日間も仕事ほったらかして病人のそばにいんだからな」
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作者名:みさ | 作成日時:2016年7月16日 21時