検索窓
今日:9 hit、昨日:4 hit、合計:13,615 hit

◆第二十九条 ページ29

「やめろって言ってんだろーがァァァァァ!!」

「ブベラァ!?」

「ナ……ナイススイング」


神楽ちゃんの渾身の一撃によって遠くの方まで飛んでいってしまった浪士は、暗闇の中に姿を消した。
あまりに見事なスイングに私は声を出さずにはいられなかった。


こんな小柄な女の子なのに、一体どこから今みたいな力が湧いてくるの……?


「あっ、ちょ、ちょっと暴れ……あっ!」

「ワンワン!」


新八さんの腕に抱かれていたルマちゃんが勢いよく飛び出ると、また何処かへと走り出してしまった。


「……追いかけなくちゃ!」

「あっ、ちょっと待つネ!」


痛い。


先ほど男にきつく掴まれたせいで、癒えていない傷口がじんじんと痛み始めた。

林の中へひたすらかけていくルマちゃんを見失わぬよう、目を離さず必死に追いかけた。

だからだろうか。
ルマちゃんしか見ていなかった私は、いつの間にか自分の近くに浪士がいたことなんて分からなくて、その存在に気づいた時には遅かった。


「おっと、何処に行くのかな〜お嬢さん」

「…………!」


早く追いかけないと、せっかく万事屋さんが必死に探して見つけ出したルマちゃんをまた逃すことに……!


じわじわと熱くなっていく傷口を手でおさえながら、必死に声を出した。


「そこ……ください」

「あ?」

「……そこを退いてください!」

「…………」


私の言葉など全く響かなかったのか、男は顔色一つ変えずに刀を振り上げる。


「退けって言ってんのが聞こえねーのか」


覚悟を決め、かたく閉じていた目を開けると、私に刀を向けていた男は血を流し倒れていた。

◇第三十条→←◇第二十八条



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
30人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 真選組、万事屋 , 土方十四郎、沖田総悟   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みさ | 作成日時:2016年7月16日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。