十人十色の恋心【RAB】

06 間接（黒） ページ16

遠回りでも伝われば嬉しい








「間接」





スタ「では、そのような形で契約お願いします」


け「はい、こちらこそよろしくお願いします」


スタ「あいかも、RABさんが出演してくれること聞いたらすごく喜ぶと思います。」

け「ハハハッ、彼女かなりのオタクですもんね」




スタ「……あと、実は相談になあいかですけど…」








け「失礼しました」



そう言って会議室を後にする






たった今大きな契約が決まった

俺らの夢に大きな一歩を踏める舞台

俺らの努力が結んだ縁、そして何より

彗星の如く現れたあいつのお陰でもある




そんなポエマーみたいなことを考えながら

会議室を出て、玄関へ向かっていると…





「あっ、けいたんさーん！」


け「お、あいかじゃん。」


「事務所にいるって聞いて、久しぶりに会いたくて
走って探しちゃいました！」





噂をすればその彼女

明るくてまっすぐで、何よりかわいい

こんな俺に会いたいなんて、




け「本当に変わってるよね、あいかって」


「えっ！！悪い意味ですか……それ」


け「んーにゃ、良い意味だけど」


「それなら良いですけど…」





俺を疑ってるような目で見てくる



ただ、今日疑うのは俺の方






け「おまえ、大丈夫？」

「えっ？」




急な俺の質問に戸惑う目の前の奴






「…あ〜、なんかスタッフさんから聞きました？
ちょっと…厄介な人に絡まれてて…」



け「まぁ、うちのドラゴンも絡んでくるし少しだけね。

ただ、ほとんど嘘だし、あんま気にすんなよ」



「そうですよね……ありがとうございます」





そう言って引きつった笑顔で笑う


不器用だなぁ……周りに頼ればいいのに…



特に、俺なんかに……






「……ねぇ、、けいたんさん…」


け「ん？なに？」



「今は大丈夫なんですけど、、

本当にダメだったら……頼ってもいいですか？」




け「………はぁ……」






どストレートに思ってたことを言われ


大きなため息が出てしまう……




これ、ドラゴンの嫁だから狙えないんだよなぁ…




「…いやですか？」



け「…俺の女になるならいいけど」
　


「えっ！！！！」





け「アヒャヒャ！！嘘だって



なんでも相談しにおいで、助けるから」






そう言って背中を叩くと嬉しそうに笑う





こんなやり方でしか力になれないけど


俺は俺のやり方で支えてやるよ

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