十人十色の恋心【RAB】

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「ネスくん、ありがとう…頑張るねわたし！

そのオープニングアで各ジャンルの人が

30秒ぐらいパフォーマンスをする予定なの

そのダンス部門の所をネスくんにお願いしたくて…」






ネ「え？俺に？」






「うん！私だけじゃなくて、企画スタッフさんも
ネスくんをかなり押してくれてて

この間RABのチャンネルに上がった誕生日の動画を見てくださったみたいなの。


どうかな？今日のお願いはそのことなんだけど……
考えてみてもらえない？」


ネ「…ちなみに規模ってどれくらい？」



「えっとね、1万ちょっと超えるぐらい」



ネ「…………」





正直、話の展開に頭が追いついていない

メリットしか無い話だろうけど…




本当に俺でいいのか？





ずっと黙っている自分を見て何かを感じとったみたいに




「…ごめんね、急に仕事の話になって」


ネ「えっ、いや……断りたいとかではなくて…」



「ううん、私がちゃんと説明せずに
お願いしてしまってるから、困惑してるんだよね。

今からはちゃんと1から説明しますね」



タットという新ジャンルを伝えていきたいこと、

所長とは話がつき、あとは俺と話すだけになってること


契約やお金のことなど大人の話を彼女はしてくれた






けど、違う…


俺が聞きたいのはそうじゃない


何も言わない俺に、彼女は気を遣って何も話さない








「…あいかはおれがいいの？」





愛の告白みたいだけどそう聞くしかない





「……それ聞く？」


ネ「なにいってんの、一番大事なことじゃん


ちゃんと聞きたいんだけど




俺がこんなワガママな性格なのも分かってるでしょ」





モヤモヤしてヤケクソで答えた言葉に


また穏やかな顔で困ったように笑う君







「……その話を聞いた時に一番最初に浮かんだのがネスくんだったの」


「人を魅了する力、周りを驚かせるスキル、この晴れ舞台にぴったりだなぁって…


だからネスくんを選んだ」





「うん、ありがとう……で、まだあるでしょ？」



まだ俺がほしい答えじゃないし

それにきっとその顔はまだ何かあるはず





「…ネスくんには隠し事できないね…



正直、言うか迷ってるんだけど…」


ネ「いいよ、言ってほしい」


「……


ネスくんの本気でかっこいい姿見たくなったの、


それも特等席で」




真っ赤になる顔を手で押さえて隠す彼女



やっと伝えてくれた…



顔を隠す手を取り、手の甲へキスをする




「その言葉が聞きたかった」

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