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sideA
糀谷夕希子さんの火葬の終わりに、彼女のお父様からこんなことを言われました。
「森さんにも大変よくしていただいて感謝しております。お礼をお伝えください。」
……誰？
その場は話を合わせて無難に返事をしておいた。
だけどうちの会社に森さんなんていないし、関係者？火葬場のスタッフさんとかかな…？
UDIラボのスタッフ…だったら私に言うはずないか。
誰だ…森…盛…杜？もり…。
木「雨宮さん。」
南雲が私のすぐ後ろから声をかける。
雨「ぎゃっ！！」
木「何とも色気のないお声で。」
雨「色気を求めるなら背後から囁かないでくださいね。ていうか私じゃない人に求めてください。」
南雲が私に近づき、コソッと耳打ちする。
木「僕はAにしか色気は求めないよ。」
…またにっこり爽やかに何てことを言うんだ、この人は。
雨宮「仕事中ですよ。」
木「誰もいないよ。で、何を考え込んでたの？」
雨「あ、いや、大したことじゃないんだけど、糀谷夕希子さんのお父様が“森さんによろしくお伝えください”って仰っていたんだけど、南雲、森さんって心当たりある？」
木「あぁ知ってるよ、森さん。」
雨「誰？森さんって。」
木「僕。」
雨「いやいや、あなたは木林さんでしょ。」
きばやし……木林…。
雨「あぁ！木林って漢字で縦に書くと森って読める！！」
木「ご名答。ネームプレートには横に書いてあるけど、縦書きの書面や印鑑で名前を見て、“森さん”って呼ばれることは少なからずある。」
雨「なるほど…全然思い付かなかった。あ、そういえばフォレスト葬儀社のフォレストってじゃあ！」
木「そう。以前は木林葬儀社だったの。それを、父が時代がどうのって言いだして横文字にするときに、森さんって呼ばれることとかけてフォレストに。」
雨「でもそのフォレストの名前も間違いを肯定していて余計事態をややこしくしているような…。」
木「もう間違えられるのも慣れて、今では普通に返事をしてるけど。まぁ、父も森さんって呼ばれることが多かったんだろうね。木林家代々のあるあると言ったところかな。」
雨「新しい人との出会いが多い職業だから、大変だねぇ。」
木「縦に書けば“森”と読まれ、横に書けば“林木(はやしぎ)”と読まれ。地味な苦労が絶えないんだよね、この苗字。
…でも、この苗字になってくれる？A。」
END
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まみ(プロフ) - えみさん» 続編やスピンオフを期待しましょう！(笑) (2018年3月24日 22時) (
レス) id: f6d9d3c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - sickさん» 木林さん好きなかたですか！？訪問&コメントありがとうございます！私の中の木林さんはこんな感じなので、お気に召していただきましたら幸いです！ (2018年3月24日 21時) (レス) id: f6d9d3c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - まみさん» ちょ‥！！まみさんちの木林さん、ちょっと素敵過ぎやしませんか‥！いただいたお返事だけでご飯おかわりできそうです‥(笑)この行き場のない想いをどうしたら、、木林さんに責任取ってほしいです(笑) (2018年3月24日 13時) (レス) id: 0d8c54eb3a (このIDを非表示/違反報告)
sick - 木林さんが格好いいね,,,, (2018年3月24日 13時) (レス) id: 0d66d22dc9 (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - うちの木林さんはそういう男です(笑) (2018年3月23日 14時) (レス) id: f6d9d3c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まみ | 作成日時：2018年3月4日 3時
