検索窓
今日:42 hit、昨日:100 hit、合計:233,727 hit

「墓前」 ページ34

side真美

人は死者に手を合わせ、何を想うのか。

葬儀の参列者と自分を、たまに比べてしまう瞬間がある。

“どうか安らかに”

“今までありがとう”

“お疲れさまでした”

私の想いはそのいずれとも異なる。

“貴方の様にはなりたくない。
今年も、負けずに生きられました。”

それはきっと、姉も同じ。そんな気がしていた。



毎年この日、姉と墓前に手を合わせる。

決して穏やかな気持ちではない。

私の苦手な時間。…嫌いって言ってもいいかも。

このままの気持ちで終わりたくないから、私はいつもお墓参りの帰りは姉と夕飯を食べる。
今年はすき焼き。肉でも食べてうさを晴らそう。



今日は南雲のことを話すって決めてきた。

雨「……ねぇ、私、彼氏できたよ。」

ミ「え…えぇぇぇぇ。」

雨「ねぇちょっと静かに!」

ミ「だれ!?誰!?ダレ!?」

お姉ちゃんが身を乗り出す。
その顔は、女子としての興味と、家族としての心配がいりまじっているようだった。

雨「ん〜?お姉ちゃんも知ってる人。」

私はすき焼きをつつきながら話す。
お姉ちゃんは完全に箸が止まっていて、私がお姉ちゃんの取り皿に肉を取り分ける。

ミ「誰!?うちのラボ…?そんなわけないか。」

雨「UDIの人、よく知らないもん。出入りはするから顔は知ってるけど、中堂さんは怖いし、久部さんは…あまり印象なし?」

ミ「ちょっとA〜中堂さんはそれでいいけど、久部君も良い子だよ〜?優しいし、…優しいし。」

雨「お姉ちゃんも印象薄いじゃん。」

ミ「そんなことないって〜。」

二人で笑う、この時間が好き。

ミ「で、誰?」

雨「木林さん。」
まだなんだか照れくさくて、少し声が小さくなる。

2→←8



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (109 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
325人がお気に入り
設定タグ:アンナチュラル , 木林南雲   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まみ(プロフ) - えみさん» 続編やスピンオフを期待しましょう!(笑) (2018年3月24日 22時) (レス) id: f6d9d3c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - sickさん» 木林さん好きなかたですか!?訪問&コメントありがとうございます!私の中の木林さんはこんな感じなので、お気に召していただきましたら幸いです! (2018年3月24日 21時) (レス) id: f6d9d3c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - まみさん» ちょ‥!!まみさんちの木林さん、ちょっと素敵過ぎやしませんか‥!いただいたお返事だけでご飯おかわりできそうです‥(笑)この行き場のない想いをどうしたら、、木林さんに責任取ってほしいです(笑) (2018年3月24日 13時) (レス) id: 0d8c54eb3a (このIDを非表示/違反報告)
sick - 木林さんが格好いいね,,,, (2018年3月24日 13時) (レス) id: 0d66d22dc9 (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - うちの木林さんはそういう男です(笑) (2018年3月23日 14時) (レス) id: f6d9d3c3d2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まみ | 作成日時:2018年3月4日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。