３話 入園式 ページ5
入園式中も、和典くんのことしか頭に浮かばなかった。
母｢彩、かえるわよ。｣
彩｢おともだちとあそびたーい。｣
母｢あら、お友達できたの？じゃ、ちょっとならいいよ。｣
彩｢うん！｣
彩｢せんせい！かずのりくんは？どこ？｣
先｢いや、かずのりくんは、お熱で、こんこんなってるから...｣
私はそんな困る先生を尻目に、なきはじめた。
彩｢うえーん！いやだ！ｸﾞｽｯかずﾋｸｯのりﾋｸｯくんとこｸﾞｽｯ行くの！｣
先｢じゃぁ、ちょっとだけね。｣
そしていった先は、真っ白な部屋だった。
彩｢かず...のり...くん...？｣
彩｢なんでここにいるの？おねつなの？｣
そう、そこで目にしたのは、青白さを通り越した真っ白な顔をして、
腕に沢山管をつけて寝ている和典くんの姿だった。
彩｢おきないの？かずのりくん、｣
先｢うーん...和典くんね、一回起きたけど、また寝ちゃっただけだよ。｣
彩｢じゃぁ、おこしたらだめ？｣
先｢彩ちゃんは、和典くんと遊びたいの？｣
彩｢うん。｣
先｢そっかぁ、でもね、今、和典くんは遊べないんだ。｣
彩｢うん、｣
先｢でも、和典くんが大丈夫だったら、おしゃべりするのはいいよ。｣
彩｢ほんとに！？やったぁ！｣
先｢和典くん、彩ちゃんが来てくれたよ。｣
和｢んぅ...｣
先｢起きれる？｣
和｢ぅん。｣
先｢彩ちゃんがおしゃべりしたいって。｣
和｢うん。｣
先｢先生、他の教室に行ってくるから、帰ってくるまで、おしゃべりしていいよ。｣
和｢はーい｣
そして先生が出ていって、この部屋は和典くんと私の二人だけの空間になった。
数秒の沈黙が続いた。
その沈黙を破るのはやっぱり私で。
彩｢ねぇ、かずのりくんは、なんさいなの？｣
和｢３さい。ぁやちゃんは？｣
この時始めて和に名前を呼んでもらえて、
さすがに口には出さなかったけど、とても嬉しかった。
でも、私は照れ隠しのために、急ぎめに答えた。
彩｢３さい。かずのりくんとおなじだよ。｣
また、沈黙が流れ始めた。
でも、やっぱり私は会話を続けたくて。
またも沈黙を破った。
彩｢ねぇ、かずのりくんのおうちどこ？｣
和｢あそこ。｣
彩｢え、あそこ、いろんなこたちがいたところ？｣
和｢うん、おかあさんとかがいないひとたちは、あそこでみんなすんでるの。｣
彩｢おかあさんがいないひとたち....｣
子供ながらに、それは聞いてはいけない事だったと感じた。
でも、きちんとそれなりの対応をするのが、彼なのだ。
続く (更新停止中)
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明悟翔(プロフ) - ナルナルさん» コメントありがとうございます！そう言っていただいて嬉しいです！ (2017年7月27日 12時) (
レス) id: fe523770d8 (このIDを非表示/違反報告)
ナルナル - すごく面白いです！私もｋｚが好きで、とくに上彩コンビが好きなので♪続きを楽しみにしています！ (2017年7月27日 11時) (レス) id: cfa0bd132b (このIDを非表示/違反報告)
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