青春的理論について【銀魂】 (ページ17)

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十六話ページ17

「…ん、あれ。沖田くん、どうしたの？」

「別に。…一緒に帰らねェ？」

「…！わ、わたしと？」

こくりと頷く沖田くんに非常に混乱する。一緒に帰るなんて初めてだ。教室で話すようになって嬉しいなーと思ってたのに一緒に帰れることも出来る様になったんだね、私たち…！感動で思わず上がってしまった声でもちろん！と叫んだ。

「今日は土方くん達と帰らないの？」

「お前に話してェことがあるんでさァ。…A」

「…！はいっ」

「…苛めてて、悪かった。これからは、お前の、そ、側に居てェ。…あん時はガキで、まだ自分の感情に心が追いついてねぇから、あんなことした。だから無駄にした時間の分、お前と居てェんでさァ」

「っ、ぅえ？お、おきたくんだよね？え、くろーん？」

思わず沖田くんを覗き込むと見るな、と目を隠された。…ほ、本物だ。え、沖田くんが、謝った、私に！？

「…俺は本気でィ。土方や他の男に取られるのは嫌だ」

「…土方くん？」

「…分かってねェならいいんでさァ。…A、俺の」

「お前ら何してるアルカー？神楽サマをスルーするとは何事ネ」

神楽ちゃんが走ってくるのを見た沖田くんは私から離れると、じゃあな、と言って帰ってしまった。結局、謝られただけだけど、嬉しいな。…沖田くんとこうしてお友達になれる日がくるなんて、信じられないけど。

「何話してアルカ？」

「…へへ、ないしょ」

オレンジ色の夕陽を背に、嬉しさが隠し切れなかった私と不思議そうな顔をしている神楽ちゃんの影が並んだ。