十二話 ページ13
「…や、やっぱり姫役辞退してもイイデスカ…?」
「甘いこと言ってちゃ客から金は取れないアルヨ!がっぽり稼ぐためアル!」
「うう…でも、きゃっ!?…んんっ、いきなり、動かないで土方くん…っ」
「………おいチャイナ。無理だ、我慢出来そうにねェ。まじでこれ以上はやめさせてくれ」
何時になく低い声で神楽ちゃんに威嚇する土方くんにびっくりした。…お、怒ってる?やっぱり無理だよお姫様なんて!
「おい土方このヤロー。俺の下僕に手ェ出したら殺しやすぜ。てめえももっと俺に近付けや」
「っや、沖田く、ひゃぁあっ!?」
この会話をするに当たって、今、私達はこんな格好をしています。胡座の土方くんの上に跨る様に座る私を後ろから抱き締めて太腿に手を置く沖田くん。なにこれ、ここが地獄!?恥ずかしすぎる…!
「…てめェ総悟。んなとこ触る必要あんのかコラ。離せ、今すぐ」
「…アンタこそさっきから気色悪ィ視線でこいつのこと見てやすよねィ」
「み、っ見てねーよ!!ふざっけんなテメ…」
「ん、苦しいよ…っ。や、二人ともやめて…」
「「…」」
二人が黙ったところで神楽ちゃんがシャッターを切った。パシャリといった音の後で沖田くんが素早く私の首筋を噛む。
「ひ、っ!や、ぁ」
「てめェ総悟…!!くそ、藍澤、大丈夫か?」
「ふぇ…?う、じんじんする…」
「俺のもんだって印でさァ。こいつになんかしたらご主人様の俺が許しやせんぜ」
「てンめェ…!」
今にも殴りかかりそうな土方くんの制服を掴んだ。だめだよ、という意味を込めて土方くんの目を見つめる。
「沖田くんも…っ!こういうこともうやめてよ、私達もう高校生なんだよ?」
「…お前に指図される覚えはねぇや。俺の言うことだけ聞いとけばいいんでィ、下僕」
「…子供みたいなことばっかり言わないで、沖田くんってほんとに成長しない」
「あ?Aの分際で誰に口聞いてんだ。大体お前が成長し過ぎなんでさァ。特に、この胸とかな」
胸?と聞く前に微かな痛みにひ、と声を漏らしてしまった。下を見ると沖田くんが私の胸をがっしりと掴んでいる。一瞬理解が出来なくて数秒固まった。そして、土方くんの怒声が響いてやっと私も状況を把握する。
「テメェ総悟ォォォォ!!ふざけんのも大概にしろ!!」
がっ、という鈍い音で沖田くんを土方くんが殴ったのが理解出来た。遠くで皆んながざわざわするのを、私一人がぽかんとしていた。
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光華(プロフ) - お疲れごはん、リアルタイムで楽しく読ませていただいてます!こちらも面白いです!私は完全に土方さん推しなので、土方さんに落ちないかな((殴 どちらも更新楽しみにしてます! (2020年6月6日 22時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マピト | 作成日時:2019年12月6日 22時