Episode.24 ページ24
『ｯ…ｧ…!!?』
パチッと目を開けた。しかし、またすぐ閉じた。
外の明るさが刺激となってとても痛い。目を開けたくない。
目が慣れてきて、窓から見える太陽の傾き具合と、少し肌寒さもありながら日光の暖かさも感じるこの矛盾から、現在の時刻が朝であることがわかる。
とりあえず、起きよう。
布団を捲って、上体を起こした。
なんだったんだろう、あの夢は。
子ども特有の何言ってるのかわからない言語のリスニング力には自信あったんだけどな…そう自負していたにも関わらず、《あの子》の最後の言葉は聞き取れなかった。悔しい。
それよりも、何かを訴えていた。
《あの子》は、私がこの世界に来た理由に関係があることはなんとなくわかる。
ウンウンと唸っていると、仕切りのカーテンからしんぺい様が顔を覗かせた。
si｢起きたー？よく寝れた？｣
『はい、お陰様で。』
si｢なら良かった。俺元から早く飯食ってこの部屋におらなあかんねんな。せやから朝食ついでにAちゃんの分も取って来てんけど、食うか？｣
そこには、トレーに鮭の切り身に白米、味噌汁に漬物も置かれていた。
がっっっつり日本食だな？？？？あれ？？？
ここ別世界、あれ？？日本？？
困惑しつつも有難い心遣いに感謝して戴くことにしよう。
『有難く戴きますね。』
近くの机に置かせて貰い、手を合わせる。
『いただきます。』
国の方の前だし、三角食べを意識しながら食べようか。普段のコンビニ弁当貪り食ってるような食べ方では最悪クビだ。初出勤もしてないのに。
美味しい…塩加減が良く、ほくほくな鮭との相性抜群…これはお米が進む…。
しかし、この世界に来てからは初めての食事。味に違和感を持つことなく、むしろ慣れ親しんだ味なので食には困らないことを知り、安心。
si｢…君も言うんやな、"イタダキマス"って。｣
…………びっくりしすぎてたまたま身と一緒に入ってきた鮭の骨を飲み込むところだった。危ない危ないエマージェンシー。
『言います…ね。』
……ﾝ?君 "も" …？？？
si｢いやぁ、俺らの仲間にも厳しくそれ言う奴がおんねんな。"俺らの血肉になってもらうすべての生き物に感謝しろ"ってな。｣
『そうなん…ですね……。』
バレないように骨を出して、冷めないうちにと食事の手が止まることはない。
日本食といい食事の挨拶といい、この世界に日本人がいるの…？
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雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2023年1月11日 3時) (
レス) @page34 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - 初コメ失礼します。本当に面白かったです!!どうか…どうか続きをお恵みください…いつまでも待っていますので… (2022年12月30日 23時) (レス) @page34 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
るてら - 将来保育士になりたいと考えているのでこの作品は好き好き同士でほんと最高です、応援してます！ (2022年12月28日 12時) (レス) @page34 id: c9c36d94f1 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！出来たら全員に愛されたいです！（恋愛的に）無理せずに頑張ってくださいね！ (2022年8月31日 5時) (レス) @page13 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
にんじん(プロフ) - 凄い面白い…そして知識も学べる…神作品ですね！！ありがとうございます(？)あと…ふうろさん敬語が凄く丁寧ですね、憧れます…これからもお体にお気をつけて頑張ってください！ (2022年8月25日 0時) (レス) @page34 id: 358fcc7765 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふうろ | 作成日時：2022年7月26日 17時
