Part84 ページ6
秀太side
たくやはAと別れてから荒れて女遊びが激しくなったと噂で聞いた。
本気でAのこと好きだったんだろうな。
さっきもずっとAのこと見てたし、俺達が付き合ってるって言った時、表情が強ばった…。
女として見てないなんて昔は嘘をついちまったけど、そんな嘘、アイツは見抜いていたに決まってる。
…Aどこに行った…。
そう遠くには行ってないはずだけど、何より人が多すぎる。
泣いてたよな…。
！？
Aは泣くときは決まって隠れて泣く。
どこだ？隠れられそうな場所？
しばらく探すと木の陰に赤い花が見えた。
Aか…
近くなるに連れ、俺が探し求めていた愛する人だと確信した。
秀「A。」
泣いていたAは、びっくりして一瞬顔を上げたがすぐに逃げようとした。
秀「待って！」
「いやぁ、秀太来ないで！」
秀「A、ごめん。悪かった。」
「秀太なんか知らない…」
秀「A…ごめん…」
今回ばかりはどう考えても俺が悪い。
「私が…たくやくんの所に行けば満足？慰めてもらえば秀太は満足するの？」
秀「違う。そんなことが言いたかったんじゃない。」
「私は…私は秀太じゃなきゃイヤなの…」
泣きながら俺の浴衣を必死で握ってくる。
秀「俺もだよ。」
「じゃあなんで…なんでそんなこと言うの？」
秀「電話したときから気が立ってて。いざ、
Aを見つけたと思ったら、たくやがいて。たくやが…Aを見つめる目が優しくて、不安になったんだ。
再会して、また好きになったらどうしようって」
「バカ…
ねぇ、私の気持ち届いてないの?秀太のこと好きで好きでたまらないのに…たくやくんも知ってるよ…わたしの気持ち。だからさっき良かったねって言ってくれたの。」
秀「ごめん。Aの気持ちは届いてる!だけど好き過ぎて不安になるんだ。
俺、こんなに嫉妬深かったんだってAと付き合ってから気付いた。
ごめんなA。」
「嫉妬深くてもいいから、私は秀太じゃなきゃイヤなの!」
まさかそんなことが聞けるなんて…
秀「A顔見せて？」
「いや。」
秀「キスしたい。」
「いや。」
秀「…なんで？」
「顔ぐちゃぐちゃなんだもん…」
秀「見せて？」
「だからいやだってば!」
そう言って顔を上げたAの両耳を包むように持ってキスを落とす。
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作者名：mamechan | 作成日時：2019年9月27日 16時
