Part115 ページ37
秀太side
会社で偶然見てしまった。
Aが西島のスーツを握りしめているところ。
…好きな人が幸せになるにはどうしたらいいんだ。
西島のところなんて行くなって今までみたいに抱きしめればいいのかよ。
Aは、きっと俺の事を傷つけないようにする。
だったら俺が身を引かなきゃだめか。
そうしたらAは、西島のところへ行ける。
帰ってAの部屋に行く。
「話って何？」
秀「はっきり言うわ。
俺達、別れよう。」
「えっ？」
秀「実はずっと引っかかってたんだ西島の事。西島の方がカッコイイし金持ちだし優しいし絶対に幸せにしてくれるから。」
「秀太…違うのあのね…」
秀「俺、他に好きな子出来たんだ。」
「うそ…」
秀「うそじゃない。
その子といるとドキドキして毎日楽しいんだ。」
「いや…いやっ！
別れたくない。私には秀太しかいないの。
ねぇ、私の話聞いてくれる？」
秀「ごめん…。もう話すことない。」
「お願い秀太…行かないで。」
A…泣くなよ。
秀「………ごめん。」
耐えきれなくて部屋に戻ってきてしまった。
涙が止まらない…。
別れ話なんて今まで悲しいことなんて無かった。
それはAがいたから。
Aを失って、これから俺はどうやって生きて行けばいいんだろう。
泣いて引き止めたらAはそばにいてくれるのかな。
でも気持ちが俺にないのに…
気持ちが俺じゃない方に向いていても、そばにいて欲しいとさえ思ってしまう。
しばらくするとエンジン音が響く。
嫌な予感…。
カーテンから少し覗くとやっぱり西島の車だ。
Aを乗せ走り出して行った。
その日は帰って来なかった。
次の日の朝、おばさんに起こされた。
A母「秀ちゃん！Aがこんな置き手紙置いて行ったの。部屋は荒れてて…」
ーお母さんへ
しばらく実彩子の所に泊まります。ー
Aの部屋に行くとガラスの破片が落ちていた…。
割れたものを拾うと、俺とAの写真がひらっと落ちて来た。
幸せそうな俺達…。
A…。
洋服や化粧品などもかなり少なくなっていて、クローゼットもぐちゃぐちゃになっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 68人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mamechan | 作成日時：2019年9月27日 16時
