Part100 ページ22
西島side
みんなで休憩しようとしたとき、Aちゃんがちょっと寂しそうにしていた。
西「Aちゃん何か乗ってくる？」
「え？にっしー疲れてないの?」
西「ぜーんぜん平気。」
俺は思わず声をかけてしまった。
嬉しそうな顔をしてくれたけど、秀太の事を気にしている。
秀太と目が合う。
秀「行ってこいよ。俺もう無理。西島頼んだ。」
多分、秀太の優しさだと思った。
でも、ありがたく受け取るからな。
もう一度、朝乗ったジェットコースターに乗ることにした。
俺は緊張すると饒舌になる。
でも、Aちゃんも楽しそうに笑ってくれている。
可愛いなやっぱり。
秀太といると、照れたり怒ったり泣いたり笑ったり色々な顔をする。
分かってはいる…けど時々その相手が俺じゃない事が苛立つ時がある。
だんだん友達としての好きになってきたけど、ふとした時に寂しくなってしまう。
決して2人の仲を壊したいとか奪いたいとかではない。
そんな時、手と手がぶつかった。
西「あ、ごめん。」
「ううん、大丈夫。」
ギュッ
「えっ？」
西「お願い…乗るまで。」
何やってんだ俺。
でも、これだけだから許してくれ。
急に黙り込むAちゃん。
西「今、秀太のこと考えてたでしょ。」
「へっ？」
西「アハハ、何その声。
大丈夫、何もしないよ。」
「あ、うん…。」
西「Aちゃん、今幸せ？」
「…」
西「ごめん、幸せに決まってるよね。
変な事聞いてごめん。｣
西「好きだよ…」
つい、溢れてしまう。
「えっ？」
そんな悲しい顔しないでよ。
西「…おれ、みんなのこと好きなんだ。」
これも嘘じゃないけど、本当は…。
「私もだよ。」
西「さ、もうすぐ乗れるよ！」
いいんだこれで…。
順番が来て乗り物に乗り込むとき、自然に手と手が離れる。
離したくないと言ったらどうなるんだろう。
今はやめよう。
俺はこの笑顔を壊したくはないから。
みんなの元に戻ると秀太の姿だけがなかった。
「秀太は？」
ほら、すぐに秀太を探す。
秀太が戻ってくると俺の前では見せない嬉しそうな顔で
「秀太ただいま」
と駆け寄る。
秀「楽しかった？」
「うん！」
やっぱり、俺の入るスキなんてないんだ。
俺、今どんな顔してたんだろ。
Aちゃんと目が合ってしまった。
俺は自分の気持ちがバレてしまいそうで急いで顔を背けた。
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作者名：mamechan | 作成日時：2019年9月27日 16時
