Part90 ページ12
秀太side
目を開けて時計を見ると朝の7時。
隣りを見ると愛おしいAがスヤスヤ眠っていた。
あまりの可愛さに思わず笑みが溢れる。
Aは俺にとって世界一のお姫様。
髪を撫でてやると心なしか笑ったように見えた。
シーツはお腹あたりまでしかかかってなくて、Aのキレイな胸が丸見えだ。
俺が散らした紅い花びらがなんとも色っぽい。
宇野ちゃんには独占欲の現れだなんて言われたけど、確かにそうかもしれないな。
小さいころから、俺に対しては強いけどまっすぐで優しいAは友達がたくさんいた。
もちろん可愛い容姿も合わさって、周りの男たちからの人気は相当だった。
どんなに告白をされても付き合うことはなく、結局俺のそばにいてくれるAに優越感と安心感があった。
俺だって男だ。一人や二人付き合った子はいたけど、結局Aの存在が消えることはなくすぐに振られたっけ。
付き合ってるんだろって、何十回何百回も聞かれたけど、その度に、ただの幼馴染だとしか言えないことが何より寂しかった。
高校に入ってからも相変わらずのモテモテだった。
ある時俺が仲良くしていた、たくやから付き合う事になったと言われた時は笑ってはいたけど頭が真っ白になった。
たくやは優しくてカッコイイ。
多分学年でも1番くらいモテるやつだった。
登下校もいつも一緒だったのにそれからはいつもAのそばにはたくやがいた。
そんな時、1つ下の子から告白された。
どことなくAに似ている。
もう、どうでも良くてオッケーを出した。
その子はただただAを忘れるだけの道具でしかなかった。最低だな。
そんな付き合いなんて長く続く事もなくあっけなく終わった。
Aたちも別れたと噂を聞いて、それから少しずつまた俺達は一緒にいるようになった。
するとAが少しだけ目を開けた。
秀「起きたの？」
「うん…今何時？」
秀「7時過ぎだよ。」
「さっき6時に目が覚めたの。また少し寝てたんだ。」
ギュッと俺に抱きついてきた。
俺も抱きしめ返した。
「ちょっと昔のこと思い出しちゃった。」
秀「そうなの？俺も。」
「ふふっどうしたんだろう。」
秀「A、胸丸見え。」
「ちょっと、秀太でしょ！変態！」
秀「おい、彼氏に向かって変態とか言うなよ。」
手首を抑えせつけて押し倒す。
真っ赤な顔で睨みつけるA。
秀「ねぇ、いつも言ってるけどそれ、余計にそそるんだよね。」
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作者名：mamechan | 作成日時：2019年9月27日 16時
