Part55 ページ8
あなたside
「えー、今日も遅くなるの？一緒に残る。」
秀「いや、今日は帰れ。毎日遅くなると肌荒れするぞ。」
「もういい！帰るよ。」
秀「ごめんな、早く帰るから。」
と秀太に抱きしめてもらう。
なるべく嫉妬させて怒りを買うように。
秀太が私を離そうとして、今度は私から抱き着く。
秀「お、おい。」
これは作戦でなくただこうしたかっただけ。
秀太もびっくりしてる。
胸に頬を寄せ「早く帰って来てね。」と甘えた声を出す。
他の人に誤解されるだろうな…。
とりあえず、秀太と別れて実彩子の所へ行き一緒に会社を出る。
会社から出ると、だっちゃんの姿が見えた。
アイコンタクトをして、
「実彩子じゃあね？」
実「うん、また明日。」
別れる振りをする。
私が駅に行くとだっちゃんは後ろから着いてきてくれた。
…本当に付けてくるのかなぁ。
怖いけど、みんなのためにも頑張ろ。
車組から連絡があり、そこまで混んでいないから一本だけ遅れて電車に乗ることにした。
コーヒーを飲みながら、少し離れた場所にいるだっちゃんを見るとウインクをしてくれた。
もう、実彩子に怒られちゃう。
電車の時間になり立ち上がる。
そんな私を見てだっちゃんも少し後ろを付いてきてくれた。
電車に乗り込むとドアの閉まる瞬間にギリギリで乗って来た人がいた。
ーあれ、何だか前にもこんなこと…
少し違和感を感じながらもギリギリの人なんて毎日いるかと思いこんだ。
車組から駅に着いたと連絡が入った。
良かった…。
後は、犯人に付いてきてもらえれば…。
最寄り駅に着くアナウンスが聞こえ少しだけ怖くなる。
…秀太。
みんなを信じなきゃ。
改札口を出て、ゆっくり歩く。
近くににっしーの車が見えた。
なるべく大通りを歩けと言われ、ちょっと遠回りだけど足を進めた。
駅から離れ少しずつ歩いている人は減って来ている。
だっちゃんは見える範囲で付いてきているのが分かった。
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作者名：mamechan | 作成日時：2019年9月22日 22時
