Part64 ページ17
秀太side
信じらんねぇ。
何でこんな時に限って旅行行くんだよ。
はぁ…普段なら嬉しくて仕方ないのに。
A…
どうゆう顔していいのか分からず早々と部屋に戻った。
心配そうに後からAが入って来た。
いや、一緒にいると…やばい。
秀「汗かいたからシャワー浴びてくるな。」
とAを残して出てきてしまった。
シャワーを浴び部屋に戻るとAの姿はなかった。
ベランダに出てAの部屋の窓を開けると
下着姿のAが立っていた。
「しゅ、秀太。」
秀「あっ！わりぃ。」
急いでカーテンを閉めた。
あれ？別に見たっていいじゃねぇか。
裸だって見てるんだし。
でも、何だろういつもより緊張する。
まるで付き合いたてのあの頃みたいに。
たった2ヶ月くらいだけど少しだけ関係が変わってきたんだな。
着替え終わったAが俺の部屋に来た。
「秀太？ごめん…」
秀「あぁ。俺こそ…」
あれ？なんか気まずい…。
秀「そろそろ出掛けるか？お昼は外で食べて夜はAが作って？」
「うん、いいよ。何食べる？」
秀「んー帰りまでに決めるわ。」
「作れる物にしてよね。」
秀「…」
「なんか難しいのないか考えてるでしょ！」
秀「バレた？」
「もぉー!」
っと笑いながら俺の腕を叩いてきた。
たったそれだけなのに触れられた場所が熱い。
秀「着替えたら呼ぶな。」
「うん。」
Aが部屋を出て俺も出掛ける準備をする。
Aに少しでも格好良いと思われたくて、おしゃれにも気合いが入る。
まぁ、こんなもんか。
秀「Aー？行けるぞ？」
出掛けてしばらくしてある違和感を感じる。
手を繋いでないのだ。
Aは俺がいる方の手に鞄を持ち平然としてやがる。
街の中心街まで電車で行くと人でたくさん賑わっていた。
秀「流石の土曜日だな。人が多い。とりあえずどっかのデパートに入るか？」
「…」
あれ？どこ見てんだ？
Aの目線の先には手を繋ぎ仲良く寄り添う一組のカップルがいた。
秀「A？」
「えっ？何？」
秀「どこか入るか？」
「うん、そうだね。」
とまたさっきのカップルを目で追うA。
寂しそうな顔して見てるから、俺はつい手を握ってしまった。
「秀太？」
秀「これくらいいいだろ。」
「もぉーしょうがないなぁ。」
なんて強がってるけど、Aの口角が上がったのを俺は見逃さなかった。
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作者名：mamechan | 作成日時：2019年9月22日 22時
