Part49 ページ2
あなたside
それから2日後。
今日も秀太との帰りは別々。
少しだけ恐怖心を忘れかけていたころのことだった。
「じゃあね、実彩子また明日!」
実「うん、またね〜!お疲れ。」
実彩子と別れて電車に乗ったとき、ドアが閉まるギリギリのところで乗ってきた人がいた。
ラッシュ時は朝も夕方もこんなもんだよね。
やっと最寄り駅に着いて自宅への帰宅途中、
明らかに足音が私と一緒。
止まると止まる。
走ると走る。
どうしよう…怖い。
とりあえず近くのコンビニに入り、商品を見ているフリをしながら秀太に電話をする。
秀「もしもし。」
「あ、秀太ごめん忙しいときに。」
秀「どうかしたか？」
「秀太…怖いよ。」
秀「A？どうしたんだよ。」
「勘違いかもしれないんだけど、誰かにつけられてる気がしたの。」
秀「え？今は?どこにいんだよ。」
「家の近くのコンビニ…」
秀「すぐ行くから動くなよ。」
「え？秀太…」
電話切られちゃった。
仕事中だったのに…また迷惑かけちゃう。
とりあえず、長くいるのも不審に思われちゃうから、コーヒーを買ってカフェスペースで秀太を待つことにした。
しばらくすると息を切らした秀太が来てくれた。
「秀太…」
私は人の目なんて気にもしないで秀太に抱きついた。
秀「えっと、嬉しいけどちょっと外出ようか…」
外へ出て数日前から感じる違和感を秀太に話した。
秀「なんでもっと早く言わねぇんだよ!」
「だって…勘違いかもしれないから。」
秀「何かあってからじゃ遅いんだ。とりあえず、まだこの辺にいるかもしれねーな。このまま帰ると家がバレる。どっか行こう。」
「秀太…仕事は?」
秀「今日はいいよ、明日やる。」
「ごめんね…」
秀「謝るなよ。いいの。あ、いいとこ思い付いた!」
「いいとこ？」
連れて来られた場所はホテル…。
「えっと、ここ？」
秀「そう、隠れるのに楽だし、ゆっくりできるし。とりあえず、3時間くらい休んで行こう。」
「秀太絶対確信犯なんだから。」
秀「なんの事?」
「もういいよ。」
秀「なに怒ってんだよ。」
緊張の糸がほぐれて涙が出てきた。
秀「え？そんな嫌だった？」
「違う…怖かったの。でも秀太が来てくれて安心したら何故か涙が出てきちゃって。さっきは必死で秀太に電話しちゃった…。すぐに飛んで来てくれるんだもん。ヒーローみたい。」
秀「惚れた?」
「ずっと前から惚れてるけどね。」
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作者名：mamechan | 作成日時：2019年9月22日 22時
