アントルメ2

Part74 ページ24

秀太side



秀「ん。良いよ。」




じーっとこっちを見てる。



秀「これ、食べる？」



「えっ？良いの？」



Aの口元にスプーンを運ぶとパクっと咥えた。



その瞬間ホールの人が入って来た。



みんなで固まる。



ホール「あっ…すみません…」



「ごめんなさい…」



秀「すみません、何か？」



ホール「あの、最後のお客様がデザートを頼みたいみたいなんですが、何が出せますか？」



秀「今日のメニューなら全部出せます。」



ホール「分かりました。今注文聞いて来ますね。」




そう言ってホールへと戻って行った。



「ごめん秀太…」



秀「何が？」



「いや、だって…私更衣室で待ってるね？」



秀「えっ…なんで？」



「秀太が、ふざけてると思われるのは嫌だから。終わったら連絡してね。」



秀「えっ？」



Aはそのまま厨房を出ていってしまった。




急に寂しくなる空間…



最後のお客様のデザートを出し終えれば今日は終わりだ。




更衣室に戻る途中でAに電話をする。



着替えて近くのコンビニに行っていたみたいで戻って来ると言っていた。



外に出るタイミングでAが戻ってきた。



「秀太ー！」



秀「待たせてごめんな。」



「ううん。お疲れ様。それに秀太の仕事してるところ久しぶりにじっくり見れて嬉しかった…」



なんだよ可愛いなぁ…



秀「コーヒー飲んでるの？飲み終わる？」



「待って！」



チューっとストローで吸う仕草も可愛いなんて俺は相当Aに惚れてる。



「秀太飲む?」



一口もらうと苦かった。



秀「苦っ！」



「あっ、そうだ秀太はお子ちゃまだからブラック飲めないんだった。」



秀「なんだとー？」



「キャッ！やめてよぉー！もう！」



秀「お前がそんな口利いてるからだろ。…そういえば、さっき言ってたことって何？俺がふざけてると思われるとかって…」



「あーあれね。んーだから、仕事中に私とふざけてると思われて…秀太が…なんていうか…」



秀「分かるよ…Aが言いたい事…」



愛おしくて抱き寄せた。



秀「ありがとう…」



「うん…」



秀「あーもう…早く帰るぞ！」



Aをバイクに乗せて家に帰る。



裸のまま眠るAの顔をしばらく見ている。



仕事中はあんなに厳しい顔してんのに。



仕事から1歩離れると本当にどこにでもいる可愛い女の子。



いや…



どこにでもいねぇな…こんな可愛い奴。

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