Part82 ページ32
あなたside
あ、いたいた。
えっ…
秀「あ、ありがとう…」
女「先輩、私のももらってくれますか？」
秀「えっ…あぁ…ありがとう。」
今日はバレンタイン。
秀ちゃんは私を迎えに学校に来てくれていた。
すると秀ちゃんが毎日いることを知っている子達が私が来る前にチョコを渡しに行っていた。
今行くと嫌な女だよなぁ。
女子達がいなくなってから私は秀ちゃんのところに行く。
自転車のカゴにはいっぱいチョコが入っていた。
ふんっ…
秀「A？」
私は黙って後ろに乗って秀ちゃんにしがみつく。
秀「なんか怒ってる？」
「怒ってない…拗ねてるの！」
秀「同じだろ…なんで？」
「それ…何？」
秀「チョコ？」
「なんでもらったの？」
秀「えっ？ダメだった？」
「ダメ…」
秀「いや…ごめん。くれるって言うから…」
ただの嫉妬。
いつまでも大人になれない。
「気分が悪いから今日は帰って？」
秀「はぁ？」
平気でチョコを貰う秀ちゃんにもイライラするし、私のこの小さい心にもイライラする。
秀「勝手にしろ！」
秀ちゃんは私を降ろすと帰って行った。
部屋に入ると、渡そうとしていたラッピングした袋が置いてあって涙が溢れる。
昨日…遅くまで頑張って作ったのに。
秀ちゃんのために作ったのにどうして…
「勝手にしろ…か…」
何よ…秀ちゃんのバカ…
秀ちゃんなんて…秀ちゃんなんて…
会いたいよ…秀ちゃん…
私はチョコを持って急いで外へ。
秀ちゃん家までは歩いては行けないから…んー…
電車か!
私は駅まで急いで電車に乗り込む。1駅先で降りると確かすぐに秀ちゃん家だ。
あれ？自転車が停まってない…
まだ帰って来てないかな…
連絡しても良いかな…ってあれ？…ない…
スマホを忘れて来た…
最悪…
でも、ここにいればいつか秀ちゃん帰ってくるかな…
もう今何時だろう。
それでもなかなか秀ちゃんは帰って来なかった。
もう寒くて限界…
すると秀ちゃんの家の玄関が開く。
秀母「Aちゃん…？」
「あっ…こんばんは…」
秀母「いたわ!うん…分かった。」
秀ちゃんのお母さんは電話を切った。
秀母「Aちゃん、中に入って？今秀太帰ってくるから。」
「大丈夫です…ここで待ってますから…」
秀母「もう…それじゃあ私が怒られちゃう!一緒に温かいものでも飲もう？」
「はい…」
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作者名：mamechan | 作成日時：2020年4月7日 11時
