Part71 ページ21
あなたside
体は辛いけどなぜだか心地良い気持ちで眠れた。
「んっ…」
目を覚ますと秀ちゃんの姿はなくて寂しくなった。
帰らせたのは自分の癖に…
近くにいてくれたのに突き放したのは私…
秀ちゃん…会いたいよ…
すると玄関から音がして階段を登る音が聞こえる。
お母さん帰って来たのかな…
するとゆっくりドアが開いて入って来たのは秀ちゃんだった。
目と目が合ってお互いに固まる。
秀「目…覚めた？」
「どうしたの？」
秀「何か食べられないかと思って飲み物とか冷たいもの買ってきた…」
私のおでこに手を当ててくれる。
秀「まだ熱いな…」
冷たい手で気持ち良かった…
「秀ちゃん…ごめんね…」
何も言わなかったけど優しく微笑んでくれた。
秀「何か飲む?色々買ってきたんだけど。」
「ありがとう。飲みたいな。」
秀ちゃんは私の体を起き上がらせてくれて飲み物を口元に持ってきてくれた。
秀「もっと飲む?」
「ううん…」
私の寝癖を指で梳かしてくれて、また枕に寝させてくれた。
秀「じゃあ…俺は学校に戻ろうかな…」
受験の大事な時に学校を休ませるわけにはいかない。
だけど…もう少しだけそばにいて欲しい…
秀「ゆっくり寝てろよ？」
頭を撫でてくれた手を私は咄嗟に掴んでしまった。
どうしよう。何か言わなくちゃ…
「行かないで…」
秀「A…」
「行かないで秀ちゃん。お願い…少しで良いから…もう少しだけそばにいて…」
秀ちゃんは私の手を握り直してくれた。
秀「分かった…ここにいるから心配するな。」
私は安心感に包まれてまた眠ってしまった。
次に目を覚ましたときには手には秀ちゃんの温もりがあった。
秀「A、起きた？」
「うん…今何時？」
秀「今は1時過ぎたところ。」
「えっ…ごめん…学校…」
秀「学校？ハハッ、そんな事気にすんなよ。」
「ごめん…私が引き止めちゃったから…」
秀「A…起き上がれそう？」
「うん…」
起き上がると秀ちゃんもベッドに座って私のそばに来てくれた。
そして秀ちゃんは私の体を包んでくれる。
秀「今、話しても良い？」
「うん…」
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作者名：mamechan | 作成日時：2020年4月7日 11時
