Part98 ページ48
あなたside
秀ちゃんと色々と見て回ってるけど、なかなかこれって物が見つからないでいる。
「ちょっと疲れちゃった。」
秀「少し休憩しよっか？」
？「あれ？秀太…」
秀「りな…」
あっ…この人…
り「元気?」
秀「あぁ…」
り「秀太…いきなり連絡先消すんだもん…ひどいよ。」
秀「いや…それは…」
り「私の気持ち知っててそんなに嫌がらなくても良いじゃん。自分は今幸せだからって…」
彼女はポロポロと泣きだしてしまった。
どうすればいいんだろう…
涙を流したまま彼女は走っていってしまった。
秀「りな！」
えっ…
秀ちゃんは繋いでいた私の手を放して彼女を追いかけていった。
何が起きたのか良くて分からない。
しばらく待ってみたけど、戻ってくる様子も連絡もない。
秀ちゃんは私じゃなく彼女を選んだの？
さっきまで少し他人事のように思っていた出来事が、少しずつ理解し始めると今度は段々と怒りが込み上げてくる。
私…バカみたい…
秀ちゃんに置いていかれたんだ…
私はその場を後にした。
そういえば2学期の始めに嫉妬した私のせいで秀ちゃんは彼女の連絡先を消したんだ。
私のせい？
なんだか自分は物凄く嫌な女に思えてきた。
秀ちゃんが好きだった人に私はなんて事をしてしまったんだろう。
自分に対する怒りや悔しさ、そして秀ちゃんに置いていかれた寂しさ。色々な感情が混ざって私は泣くことしかできなかった。
近くの公園で夕日が沈んでいくのを泣きながら見ていた。
携帯が鳴る。
私は出ることができないまま電源を切った。
秀ちゃんと離れてから電話がくるまで30分は過ぎている。
その間二人で何をしてたの？
その間…私のことなんて忘れていたんでしょ？
こんな顔では電車で帰れない。
私は一瞬だけ携帯の電源を入れてお母さんにお迎えを頼んだ。
その一瞬でも秀ちゃんからの着信が来た。
そしてまた私は電源をオフにした。
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作者名：mamechan | 作成日時：2020年1月17日 20時
