陽春４ ページ23
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「いちご食べ放題ってサイコーだよね」
今日何度目かのセリフをマイコが繰り返す。
「いくらオーナーの趣味でやってるからって、1日最大2組までしかいちご狩りしてないのもったいないよね」
そのまま手にしたいちごを頬張る。
「お店で使ういちご用だって言うし、むしろいちご狩りさせてくれてありがとうございますってなるけど」
私が言うと、マイコは頷いた。
「まあ、そうなんだけどさ」
でもさ、といちごを飲み込んでマイコはハウスの中を見渡す。
「いちご狩りしていちご好きなだけ食べて、も嬉しいけど、北山さん独り占めして世間の皆様ご馳走様です」
「マイコ、嬉しさ溢れすぎて日本語変だよ」
にぃって笑う。
着いたばかりの時は散々私にいろいろ言ってたくせに、
いちごの説明聞いたり私たちの自撮り助けてもらったりしてるうちに、すっかり北山さんに懐いてる。
当の北山さんは、、、あれ？いない。
さっきまでハウスの隅にいたのに。
キョロキョロしていたら、外から北山さんが入ってきた。
「そろそろいちご狩りの時間終了になります。この後、母屋の方にいちごを使ったスイーツとお土産を用意していますので、お忘れ物のないようにいらしてください」
え？
今なんて？
て思ったら、マイコもこっちを見てる。
「スイーツて？」
「お土産は聞いてたけど、スイーツなんてあったっけ？」
「いちごをたくさん食べた後にスイーツって言われても、ってなりますよね」
顔を見合わせてる私たちに、北山さんは苦笑しながら言う。
「あー、えっと、好きなだけいちご食べてこの上まだスイーツ食べられるなんて、幸せすぎるって思っちゃって」
「カフェで出してるようなスイーツですよね？」
北山さんはフフと笑う。
「喜んでもらってありがとうございます。いちおうここのオリジナルですが、今までにカフェのメニューになったものもありますね」
「試供品みたいな？」
「や、マイコ、たぶんちょっと違うと思う」
そうなの？って顔するから、
「スイーツが待ってるから、さっさと片付けて行こう」
促して、北山さんが出るのに続いた。
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作者名：lettuce | 作成日時：2023年1月28日 0時
