【QK】トライアングル【fkr.kwmr】

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水上 side



例のドッキリ動画が公開される日。
そんな面白い日にオフィスに行かないのは勿体なすぎるので態々予定を開けて今オフィスにいる。確か午後６時くらいに公開されるはずだったから河村さんと福良さんと俺はAさんを撮影部屋に呼び出して長々と雑談していた。





「あ、そういえば今日ってサブチャン公開する日じゃん。折角だしここのテレビに映して見ない？」

「ん。そうしよう」





福良さんの振りが自然過ぎて怖い。それに賛同する河村さんも顔色一つ変えずに頷くものだからこの人達はやっぱり色んな面に関して長けている。この２人がタッグを組んだら万引きしてもバレない説ある。





「え、私今日公開されるサブチャンの内容知らないんだけど」

「え？知らないんですか？」





キョロキョロしながら顔色を伺うAさんに僕も声を掛けてみた。僕だって別に平然を装うのが下手では無いと思うのだが、やっぱり２人には敵わない。





「まぁまぁ、多分もうすぐ公開されるから」

「あ！公開されたよ！」





福良さんがその動画を見つけた瞬間にタップして再生された。残念ながら多分これはどんなファンより早い視聴だと思う、公開される時間を知っていて待機しているのだから。そして大きなテレビに映し出されたのは福良さんと河村さんの姿。





《さぁて、どういうドッキリを仕掛けて行こうか》

《うーん…迷うね》


《その場にいる人全員寝てるドッキリ、とかどうですかね》





まじまじと画面を見つめるAさんを３人は更に見つめながらほくそ笑む。





「待って、これ、誰に仕掛けたの？」

「考えてご覧よ」

「え？だってここに居るメンバーと同じ…、しかもあの時寝て…」





頬杖をついてニヤけが止まらない河村さんは態とネタばらしをせずに自分で考えさせる。Aさんの最大の過ちは策士の河村さんにドッキリを仕掛け続けたこと。凡人の仕返しですら怖い物だと言うのだから河村さんの仕返しがもっと怖い物だと言うことぐらい考慮しておかなければ。





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