【QK】トライアングル【fkr.kwmr】

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「ほいほいほーい、おはよーさん」





今日はご機嫌なようでオフィスの玄関で発しているであろう声がここまで聞こえてきた。その声は余りにも間延びした声で福良か水上のどちらかが思わず吹き出した程。…水上かな。





「…あれ？」





僕は足と腕を組んで、俯き目を瞑っていたので声がハッキリと聞こえるのだが彼女はドアを開けてそのままそこに停滞しているようだった。いつもAが1番に来るから僕達が居ることにまず驚いたのだろう。





「みんな寝てるじゃん？…朝から何か作業してたのかな」





１人だから大きい声で話してる訳では無いけど、静かなこの部屋では微かな声は充分聞こえる。悩むように呟いた後、ドアを閉めるような音が響いた。誰かを呼びに行ったのか。





「何もかけないで寝ちゃって。風邪引いちゃうじゃん」





暫くして再びドアが開いた音が鳴り、戻ってきたが足音は１人分しか聞こえない。すると足にふわっとした感覚がした。もしかしたら毛布だろうか。





「よし。疲れてるだろうし30分くらい経ったら起こしてあげようかな」





いや、会議するからそれは駄目だろ。と思ったけど彼女がこんなことをすると思っていなくて、叩き起すぐらいだと思っていたから予想外の展開に狼狽える。





『ブ──、ブ──、』





アラームが鳴った。それを合図に僕は目をパチッと開けてまずアラームを停止する。次に周りを見渡すとどうやら水上と福良も起きたらしいが、それぞれの背中やら足やらに毛布が掛かっていて少し面白い。





「おはよう、A。そしたら会議を始めよう」

「そうだね。じゃあ次の企画のことなんだけど…」

「え？あ、おはよう？企画会議なのに水上くんいるけど大丈夫なの？」

「そうですね。会議始めましょう」





普段なら水上は企画会議に参加しないけれど、この状況だとこのまま参加するのが吉。たまには他の意見も聞きたかったし丁度いい機会。
最初はあたふたしているAだったが、数分経つと状況に段々と適応してきて真面目に意見を出してくるようになった。Aの立場が僕ならまず毛布にツッコミを入れるのだけれど。この人にツッコミの素質は無かったか。


結局僕らは打ち合わせ通りネタばらしなどせず、ただただ真面目に会議をやり通した。サブチャンアップの日が楽しみだな〜。





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