【QK】トライアングル【fkr.kwmr】

７日目の感謝 ページ39

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「はぁぁぁ…」





今日の感謝担当が誰か、はっきり分かっている。そいつがどんな性格をしているかも、はっきり分かっている。それをわかりきった上でオフィスに向かうと足取りが重くなってしまうのだ。本来もっと早く着くはずだったけど、多分３０分近く遅れてしまうかな。





「随分重ーい溜息だね。福良に泣かされでもした？」

「うわっ！」

「幽霊見つけたみたいな反応しないでよ」





突然声を掛けられて肩を震わせると、そこに居たのは当の本人だった。タイミングが良すぎるし気配にも気づけなかったからある意味幽霊と言ってもいいのでは？…駄目か。





「河村じゃん、もうびっくりさせないでよ」

「びっくりさせたつもりは無いんだけど、あ。いやちょっと悪戯心は働いたかもしれない」

「素直だな」





年中真っ白の肌を見ると病気なんじゃないかと毎回思う。伊沢や須貝さんに比べても筋肉は全然無いし、細いし、何より私より少しだけ身長も低いから。けどそんな心配も河村特有の空気感で無くなるのだけど。





「さぁて、僕からのプレゼントはこれですよ」

「雑草じゃん！？」





ふざけた様子でそこらへんに生えてるような雑草を手に持っている河村。河村といるとボケが止まらないからツッコミに頭を使って疲れる。これがもしボケじゃなかったら私は泣く。感動とかじゃなくて。





「冗談だって」

「知ってるよ」

「まぁまぁ、そんな泣きそうな顔するなって。オフィスついたら渡すから」





何も話を聞いてないのか？私の言葉なんか無視してへらへらと話しながらオフィスへと向かう私達は傍から見れば不思議な関係だと思われてるのかな。


そんなこんなで河村のくだらない冗談に付き合ってやりながら歩いてると、オフィスにようやく着いた。河村はどうやら先にオフィスに着いていて、何処かに行った帰りだったらしいので随分と身軽。羨ましい限りだ。





「撮影部屋ね」

「サブチャン撮ったりしないよね？」

「昨日撮ったんでしょ？他の部屋空いてないからここなだけ」





案内されたのは昨日と同じく撮影部屋。彼も福良と同じプロデューサーだから撮るのかと思ったけどどうやら違うらしい。確かに会議室と執務室が今まで空いてたのは珍し過ぎたか。





「俺からはなんの花だと思う？」

「分かるわけないじゃん」

「つまらないねぇ。はい、ゼラニウム」





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